【よしさんコメント】
★ハゼ科ウキゴリ属
茨城県牛久沼で、2007年06月02日(土)に漁獲された、ウキゴリです(fig.01写真参照)。
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写真上の個体は全長40mm、写真下の個体が全長38mmの未成魚で、2006年春生まれの2年魚と推定されます。
すでに稚魚期を過ぎているため、尾ビレの斑紋による区別(汽水型・淡水型・中流型)は不明確です。
03〜05月にふ化した仔稚魚は動物プランクトンを餌とし、成魚は小魚やエビ類を主食にしています。
表・中層に群泳し、半底生生活をすることから、ウキ(浮く)ゴリ(ハゼ)と呼ばれます。
牛久沼でワカサギとウキゴリのふ化時期が重なると、それぞれの仔魚間で餌(ワムシ類)の競合も想定され、さらに
ウキゴリ未成魚・成魚による恒常的なワカサギ仔稚魚捕食も懸念されます。
逆に、ワカサギ成魚(2年魚)によるウキゴリ仔稚魚捕食の可能性もあります。
そこでは在来種や外来種という判定は何の意味もなく、魚食魚は互いを餌とし、しかし絶滅させることもなく
自然の掟に従って共存していることが牛久沼で確認されました。
【参考文献】
『原色日本淡水魚類図鑑』宮地傳三郎ほか(1981年02月01日全改訂新版6刷、保育社、¥4300)
※ウキゴリが教えてくれたこと※
★牛久沼には、ウキゴリを養う動物プランクトンと小魚やエビ類が豊富であること
★ワカサギとウキゴリは(定性的に)共存している
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