【よしさんコメント】
★コイ科モツゴ属
茨城県牛久沼で、2007年06月02日(土)に漁獲された、モツゴです(fig.01写真参照)。
☆
千葉・東京では、クチボソという別名で親しまれています。
写真の個体は全長51mm(上)と49mm(下)の成魚で、2006年夏生まれの2年魚と思われます。
霞ケ浦での産卵盛期は07月中旬〜08月にかけてといわれ、水辺のヨシの茎・竹類、あるいは石面・貝殻面が利用されます。
ふ化仔魚は、他の魚類と同様に動物プランクトン(ワムシ)を餌とし、夏季に沿岸性の成魚は、
ワムシ類と底生のユスリカ・イトミミズを食うが、沖合い性の成魚はミジンコ類を食い、冬季は共にユスリカ・イトミミズを食う
と、岡山県児島湖の報告があります。
牛久沼では、第5種漁業権魚種として、モツゴの種苗放流を続けています。
牛久沼の漁師からは、「モツゴは獲れたがワカサギは不漁(2005年)、ワカサギは獲れたがモツゴは不漁(2006年)」
の声が聞かれ、あたかも十和田湖におけるヒメマスとワカサギの関係のごとく、
その原因のひとつは餌料(動物プランクトン)の競合にあるのではないかと、よしさんは考えます。
観察と事例を積み、もし餌料の競合が主因であれば、より重要種へと漁協の方針をシフトする必要があるかも知れません。
【参考文献】
『原色日本淡水魚類図鑑』宮地傳三郎ほか(1981年02月01日全改訂新版6刷、保育社、¥4300)
※モツゴが教えてくれたこと※
★漁場環境と漁獲物(漁獲量)を、良く観察すること
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