ホンモロコ(コイ科)増殖の試験研究用に、茨城県内水面水産試験場より受精卵を頂戴しました。
キンランに付着させたホンモロコ受精卵の内の10粒を、無作為にビーカに入れ持帰り、
書斎に一晩おいたところ、翌2008年05月01日朝、5尾のふ出仔魚を確認しました
(他は死卵のため廃却)。
ふ出仔魚を観察すると、遊泳は俊敏で、直径7.0cm×水深7.0cmのビーカ内の上層や
中層を、一瞬に移動します。
ワカサギのふ出当日仔魚が「一生懸命泳いでいます、という感じ」で力泳するのと相違し、
ホンモロコのふ出当日仔魚は「苦も無く、ピューっと、速いスピードで」移動できます。
従って、底棲甲殻類や水生昆虫類に捕捉されるリスクは低いものと推定されます。
同日12:00全尾をホルマリン5%固定、うち1尾のホンモロコ仔魚(fig.01・個体a)は、
全長5.91mmと、ワカサギのふ出当日仔魚よりも大型です。
口はまだ開いていませんが、全身にある茶褐色の斑点・太い脊椎骨・背面から尾部をまわって
肛門へ続く一体もののヒレ・腹部のヒレ等、各部の詳細を観察下さい。