千葉県雄蛇ケ池の異質な環境下に、魚卵と前期仔魚を同時に発見した。
これを観察し、測定し、検鏡したところ、カムルチー(ライギョ)と同定できたので報告する。
【特徴】
●仔魚全長は6.0mmであった(fig.01 写真計測)
(注)写真背景のグリッドは0.1mm=100μm間隔
●黒色胞(菌糸状が目立つ)は全身にあり密度が高く、肉眼では総じて黒色の仔魚に見える
●前期仔魚は、水面で横倒しになり、あるいは卵黄を水面に向け逆さになり、たまに背を上に腹を下側に向け
ビーカ内の表層を泳いだ
☆「全長8〜9mmで卵黄を吸収し、尾びれと胸びれに軟条があらわれはじめる」(※02)。
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【参考文献】
※01 青柳兵司(1979):
カムルチー属.日本列島産淡水魚類総説(復刻版).淡水魚保護協会.大阪,pp.190−192.
※02 宮地傳三郎・川那部浩哉・水野信彦(1981):
カムルチー.原色日本淡水魚類図鑑(原色図鑑32)全改訂新版6刷.保育社.大阪,pp.293−296.
※03 よしさん(2008):「カムルチーの産卵場と浮上卵(千葉県雄蛇ケ池の事例)」.http://wakasagi.jpn.org/