【よしさんコメント】
★コイ科ニゴイ属
茨城県牛久沼で、2009年01月05日(月)に漁獲された、ニゴイです(fig.01写真参照)。
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大阪でキツネゴイと呼ばれ、成魚は顔つき(頭部)が細長い、虹彩は金色・瞳孔(ひとみ)は黒色。
「全長70mm程度では、形態はほぼ成魚と同じであるが、体側にひとみと同大の黒色斑が1列に並び、
かつその背面にも暗斑がある。こうした斑紋は全長200mmごろまで残存する。」(※01)と、記載された特徴も見られ、
写真の個体は全長120mmの未成魚で、2007年春生まれの2年魚と推定されます(さらに小型も漁獲されています)。
ほぼ全国的に分布し、利根川や千葉県亀山湖にも30cm以上の大型魚が生息する。
仔稚魚は、「砂底または砂泥底で底生藻類とユスリカさらには半底生の浮遊動物を摂食」し、
「体長15〜20cm程度のものは、砂礫底や岩礁部に群れを作っており、水生昆虫や貝類などの底生動物を食う」(※01)と、されます。
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「泥底を好まないので、沼などにはほとんど入らない」ニゴイが、漁獲されたことは、
(少なくとも)漁獲地点の底質が、泥<砂であることを暗示するものと考えられます。
牛久沼におけるワカサギの自然産卵期間は01月下旬〜03月下旬、人工ふ化・仔魚放流は03月下旬〜04月下旬頃で、
ニゴイの自然産卵期間04月〜06月とはズレがあり、両種ふ化仔魚間の初期餌料(ワムシ類)競合は、
少ないものと想定されます。
【参考文献】
(※01)『原色日本淡水魚類図鑑』宮地傳三郎ほか(1981年02月01日全改訂新版6刷、保育社、¥4300)
※ニゴイが教えてくれたこと※
★牛久沼にも、「泥<砂」の底質のポイントがあること
★ワカサギとニゴイは(定性的に)共存している
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