亀山湖・牛久沼は首都圏近郊のワカサギ釣り場をめざします

ワカサギふ化放流ノート
牛久沼で産卵したワカサギ(2009年主群)用、初期餌料調査報告
Japanese-smelt initial bait charges survey in the Ushiku swamp.
茨城県牛久沼のワカサギの、今季産卵の主要なものは以下のように確認されています(※02)。
第1陣(走り)2009年02月12日以前
第2陣(主群)2009年02月13日〜16日
第3陣(副群)2009年03月12日〜14日
牛久沼の水温から、第2陣(主群)のふ化日は、03月09日〜03月15日頃と推定されます(※02)。
ワカサギは、ふ化後3〜4日目から初期餌料(原生動物・小型プランクトン)を摂餌しなければ、餓死する(初期減耗)ため、 ふ化日に合わせ、漁場のプランクトン調査を実施しました。
fig.01 ツボワムシ
fig.01 ツボワムシ(変異型・卵1)
Brachionus calyciflorus f.anuraeiformis
fig.02 ツボワムシ
fig.02 ツボワムシ(変異型・卵2)
Brachionus calyciflorus f.anuraeiformis
fig.03 ツボワムシ
fig.03 ツボワムシ(変異型・卵2)
Brachionus calyciflorus f.anuraeiformis
fig.04 ミツウデワムシ属
fig.04 ミツウデワムシ属
Filinia longiseta var.passa
fig.05 デトリタス
fig.05 デトリタス
Detritus
【結果】
茨城県牛久沼のレンタルボートたまや桟橋(st.ut)で、2009年03月17日に観察した動物プランクトン 中、多く見られた種はツボワムシ(fig.01-03)で、抱卵個体も多く観察しました。
ミツウデワムシ属(fig.04)も抱卵(2ケ)しています。
03月は、ミジンコ類1種・ワムシ類2種の合計3種の出現を観察しました。

【考察】
ワカサギの摂餌開始時の体長は5.0〜6.2mm、口径は226μm、摂餌することが可能な餌料サイズは115〜170μmと考えられ(※01)、 出現したプランクトンのサイズが、物理的にふ化仔魚の口に入るかが(文字通り)死活問題です。
掲載写真の背景グリッド(100μm間隔)から、餌料プランクトンの大きさが測定でき、ツボワムシ・ミツウデワムシ属・デトリタス(原生動物含む)、 いずれもワカサギふ化仔魚の初期餌料に好適であることが判ります。

従って、牛久沼産ワカサギ(2009年主群)は、初期餌料に遭遇できる可能性が高く、 ふ化後の第1ハードルを越え、命をつなぐ個体も多いと考えられます。

【参考文献】
(※01)代田昭彦(1975):「水産餌料生物学」恒星社厚生閣.東京.175〜181pp
(※02)よしさん(2008):「牛久沼(レンタルボートたまや沖)におけるワカサギ初期餌料調査報告(2008)」.
亀山湖牛久沼ワカサギ情報.http://wakasagi.jpn.org/
(※03)よしさん(2009):「牛久沼における、ワカサギの自然産卵とふ出日推定(2009年魚)」.
亀山湖牛久沼ワカサギ情報.http://wakasagi.jpn.org/

採取:2009年03月17日(火)10:00 天候○ 気温15.0℃ 水温11.0℃ at10:00
水位YP5.95 水色ややマッディー
発表:2009年03月17日(火) 牛久沼漁業協同組合顧問よしさん
転載許可:牛久沼漁業協同組合ホームページに本稿転載を許可します。よしさん。

http://wakasagi.jpn.org/ ワカサギふ化放流ノートトップページへ Copyright by yoshisan.