「ワカサギ仔魚の、ふ化後5日間の成長(その1)」の、table.01 に示したふ化仔魚の顕微鏡写真から、各々の全長を測定すると、
第1日(ふ化当日)は、仔魚a5.12mm・仔魚b5.10mmであった。
同様にして第5日目の仔魚a5.80mm・仔魚b5.41mmまでを一覧表にまとめ、table.02 に示した。
table.02 仔魚全長 (ふ化当日を第1日とカウント)
各日ともランダムにサンプル仔魚をピックアップしたため、「前日より小さくなった仔魚」現象が何ケ所かで見られるものの、
本飼育観察条件下においては、
第1日(ふ化当日)の仔魚平均全長5.11mmが、第5日目の仔魚平均全長5.605mmへと成長した。
5日間で0.495mm(5.605−5.11=0.495mm)であるから、1日当たり(0.495÷5=0.099mm)
0.099mmの平均成長速度であった。
浅見(※01)の報告した、0.12mmに比し若干遅いようであるが、胚(仔魚)の産地や観察条件の相違から、
単純に横に並べた評価は意味が薄くなろう。
一目で概要を把握できるよう、より視覚的に、ふ化仔魚の5日間の成長を、全長と平均成長速度の観点から図化したものが、fig.02 である。
fig.02 仔魚全長&平均成長速度グラフ
仔魚全長&平均成長速度グラフ(fig.02)中の青い◆印及び
赤色■印は、各日の仔魚a及び仔魚bを表し、
灰色直線は仔魚a及び仔魚bの平均を示す。
赤色太線は、全仔魚の平均を表し、この傾きが0.099mm/dayの平均成長速度である。
上下2本の灰色直線が、ほぼ平行であり、
仔魚の大小による(少なくとも)全長に係わる成長速度に差異はないものと考えられる。
このことから、ふ化当日(第1日)〜第5日の間、換言すれば卵黄を吸収消失
するまでの間において、仔魚の全長は直線状に増加することが確認できた。
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