【考察】 ふ化仔魚は、餌料の一部を齧ったり食いちぎることをせず、丸ごと飲み込む摂餌スタイルであるため、 餌料の最大巾(または最大高さ)が、物理的にふ化仔魚の口に入るかが問題となり、餌料の長さは(ひとまず)不問として良いようです。 04月の定期プランクトン調査結果は、ふ化仔魚の初期餌料調査結果面を明確にするため、 通常月の分類学的掲載順と相違し、変則的ながら実践的な「餌料プランクトンの大きさ順リスト」としています。 本稿の「大きさ」とは、前体部+後体部の全長、殻長、体長等でなく、 当該プランクトン等を丸飲みする時の最大値(巾または高さ)を指し、測定値を各々の写真の下段に示すと共に、最大値の小から大へ昇順リストとしました。
ワカサギの摂餌開始時の体長は5.0〜6.2mm、口径は226μm、摂餌することが可能な餌料サイズは115〜170μmと代田(※01)は述べ、 代田に従い table.01 から170μm以下の餌料を探せば、 ★不詳(原生動物)・★ユーグレナ属(原生動物)・★不詳(卵)・★コシブトカメノコウワムシ・★ハネウデワムシ ★ダフニア(幼生)・★カイアシ類(卵)・★ダフニア(卵)・★ワムシの一種・★フクロワムシ属(小型)・★ツボワムシが、 今回ふ化したワカサギ仔魚の初期餌料に好適であると判断できます。 従って、牛久沼産人工ふ化ワカサギ(2009年第2回目RUN群)は、初期餌料に遭遇できる可能性が高いと考えられます。
さらに本調査結果は、調査日(2009年04月22日)以前に、牛久沼でふ化し成長中の仔稚魚(口径も大きい)には、 250μm〜420μm級のプランクトンも餌料範囲にあることを示しています。
【参考文献】 (※01)代田昭彦(1975):「水産餌料生物学」恒星社厚生閣.東京.175〜181pp (※02)よしさん(2008):「牛久沼(レンタルボートたまや沖)におけるワカサギ初期餌料調査報告(2008)」.http://wakasagi.jpn.org/ (※03)よしさん(2009):「牛久沼における、ワカサギの自然産卵とふ出日推定(2009年魚)」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報.http://wakasagi.jpn.org/ (※04)よしさん(2009):「牛久沼で産卵したワカサギ(2009年主群)用、初期餌料調査報告」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報.http://wakasagi.jpn.org/ (※05)よしさん(2009):「ワカサギ仔魚の、ふ化後5日間の成長(その3)」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報.http://wakasagi.jpn.org/