【よしさんコメント】
このコシカクミジンコ(fig.01)は、茨城県牛久沼(竜ケ崎市)におけるプランクトン定期調査で、
2009年04月22日に採取しました。
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日本の節足動物門・甲殻綱・ミジンコ亜綱・ミジンコ目・マルミジンコ科・シカクミジンコ亜科に分類される、
7属のうちの1属がシカクミジンコ属で、日本では6種が知られています(※03)。
中国では、尖額(サンズイに)蚤属 Alona Baird, に15種が知られており、コシカクミジンコの中国名は
「矩形尖額(サンズイに)蚤」です(※01・02)。
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殻の縦縞の美しさに目を奪われ、一瞬、プランクトン以外の異物とも思いましたが、
●頭部に単眼と、単眼よりやや大きな複眼がある
●尾爪・基刺・肛刺がある
等により、これはミジンコだと気付き、嬉しくなり良く観察すれば、
●体形が長方形に近く、唇片が舌状等、同定は比較的に簡単でしょう。
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牛久沼における、プランクトンの採取・観察報告に、元東北大学教授大方昭弘博士の調査(※04)が
ありますが、コシカクミジンコは未記載です。
よしさんも今回初めてコシカクミジンコを観察し(※05)、
主として北半球に分布する世界種とされるコシカクミジンコですが、牛久沼では多くないようです。
【参考文献】
(※01)蒋燮治・堵南山(1979):矩形尖額(サンズイに)蚤.
「中国動物志・節足動物門甲殻綱淡水枝角類」科学出版社(中国・北京),pp.224−225.
(※02)堵南山編著・水野寿彦訳著(1982):矩形尖額(サンズイに)蚤.
「中国/日本 淡水産枝角類総説」第1刷 たたら書房.鳥取,pp.85−86.168−169.
(※03)水野寿彦・高橋永治編(2000):コシカクミジンコ.
日本淡水動物プランクトン検索図説 改訂第1版第1刷 東海大学出版会.東京,pp.165−166.174.
(※04)『魚たちのすみよい川と湖』(2006年03月31日・茨城県内水面漁業協同組合連合会
平成17年度内水面漁場環境保全啓発活動事業小冊子・21pp・非売品)より
7〜21ページ(牛久沼の事例)を抜粋し、牛久沼漁業協同組合ホームページに転載
(※05)よしさん(2009):「牛久沼における、ワカサギ初期餌料調査報告(200904)」.http://wakasagi.jpn.org/
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