【特徴】
●稚魚は、水生植物帯の中で捕獲された(水深10〜30cm)。
●稚魚の周囲に、稚魚を守るオオクチバス成魚はいなかった。
●稚魚全長は、17〜18mmである(fig.01 写真計測 目盛は0.5mm or 1.0mm間隔)。
ふ化後4週間程度が経過したと推定される、全長17〜18mmのオオクチバス稚魚は、群れで水生植物帯の水面直下に浮上し、プランクトンを食べ、
体長「8cmのころまでは魚を食う比率は少ない」(※01)とされる。
一般に「オオクチバスは魚食性で在来魚種を食べつくす」かの如き誤まった風評や、
「オオクチバスを駆除して在来魚種を守ろう」等のスローガンが掲げられることが多いようだ。
オオクチバス仔稚魚の餌料プランクトンは、漁場に優占する在来魚種と競合すること、及び広大な水生植物帯が在来魚種を守ること等から、
牛久沼においては、近年、ワカサギ・モツゴ・エビ等在来魚種漁獲量の増加(漁協資料)が著しい反面、
オオクチバス個体数はかなり減少し、低位平衡期にあると見られる。
外来種魚類の脅威は、漁場を構成する生態系の詳細により相違し、牛久沼の嫌われものベスト3を揚げるなら、
ブルーギル(魚卵とふ化仔魚を食い、利用価値がない)・ハス(琵琶湖から移入され、資源を飽食し大繁殖、利用価値がない)・
チャンネルキャットフィッシュ(霞ケ浦から移入され、カワウに食われず繁殖し、有用魚類を食い荒らす)、というあたりか。
オオクチバス仔魚の成長については、後期仔魚(TL=5mm・ふ化後6〜7日程度)(※02)、後期仔魚(TL=7.5mm)(※03)
段階を既に報告している。
【参考文献】
※01 宮地傳三郎・川那部浩哉・水野信彦(1981):
オオクチバス.原色日本淡水魚類図鑑(原色図鑑32)全改訂新版6刷.保育社.大阪,pp.320−322.
※02 よしさん(2007):「あっと驚く、亀山湖のオオクチバス仔魚」.「ザ・レイクチャンプ」ODLトーク0114 http://lake-champ.com
※03 よしさん(2008):「亀山湖のオオクチバス後期仔魚」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報 http://wakasagi.jpn.org/