亀山湖・牛久沼は首都圏近郊のワカサギ釣り場をめざします

ワカサギふ化放流ノート
牛久沼のモツゴ前期仔魚(ふ出翌日)
The prelarva stage Pseudorasbora parva of the ushiku-swamp(2009).
fig.01 モツゴ前期仔魚
fig.01 牛久沼のモツゴ前期仔魚(顕微鏡写真合成)
【状況】
茨城県牛久沼において、モツゴの産卵場所と産卵基質の選択性試験用に、かねて設置しておいた人工産卵床(4枠)を、 2009年06月28日観察したところ、産卵基質2種の内、塩ビパイプに、産着卵を発見した(※07)。
産着卵からふ出する魚種を確認するため、 塩ビパイプの発眼卵区間から、発眼卵を金属製スプーン状器具で、コソギ落とし、沼水を入れたビーカーに採取した。
採取直後のビーカー内に、泳いでいる仔魚多数が確認され、よしさんが人工で卵幕を破り、ふ出させた格好になった。
ビーカーを室内放置し、翌29日朝、仔魚を観察後、5%ホルマリン固定し、顕微鏡撮影した(fig.01)。

【特徴】
●仔魚全長は4.75mmである(fig.01 写真計測 背景のグリッドは0.1mm=100μm間隔)
●瞳孔は(写真では)黒いが、(目視で)虹彩は金色である
●浮袋を備えている
●黒色胞(菌糸状が目立つ)は、頭部背面・卵黄側面・浮袋背面・腹と全身にある
●卵黄は明確である
●仔魚は上方から見た姿が、メダカに似ており、俊敏に遊泳できる
●産着卵は列状であった
●上記から、前期仔魚段階のモツゴ仔魚と同定した

【参考文献】
※01 青柳兵司(1979):モツゴ.日本列島産淡水魚類総説(復刻版).淡水魚保護協会.大阪,pp.106−108.
※02 宮地傳三郎・川那部浩哉・水野信彦(1981):
モツゴ.原色日本淡水魚類図鑑(原色図鑑32)全改訂新版6刷.保育社.大阪,pp.186−188.
※03 よしさん(2008):「モツゴの産卵場と産着卵(茨城県牛久沼の事例)」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報
※04 よしさん(2008):「牛久沼のモツゴ前期仔魚(ふ出翌日)」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報
※05 よしさん(2009):「牛久沼のモツゴ仔魚(ふ出当日)」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報
※06 よしさん(2009):「牛久沼のモツゴ仔魚(ふ出当日)大判写真」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報
※07 よしさん(2009):「茨城県牛久沼におけるモツゴの産卵場と産卵基質選択」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報

採取:2009年06月28日(日)14:00 ◎● 気温26.0℃ at12:00 水温未測定 水位YP5.96m 水色ややマッディー
観察・撮影:2009年06月29日(月) 発表:2009年07月02日(木) 牛久沼漁業協同組合顧問よしさん
転載許可: 牛久沼漁業協同組合ホームページ に本稿転載を許可します。よしさん。

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