亀山湖・牛久沼は首都圏近郊のワカサギ釣り場をめざします

ワカサギふ化放流ノート
ワカサギふ化仔魚の口器及び口径観察日誌(2010)
Trophi of Japanese-smelt Sac fry, and a diameter observation diary(2010).
【目的】
ワカサギふ化仔魚の口が、いつ開く(完成する)のかについては、 既に「2日目に開いた」事例を報告した(※02)。
口器と消化管の完成は、初期餌料の摂餌の前提となる重要事項であるため、 再度、ワカサギふ化仔魚の口器及び口径を観察した。
結果を以下に示す。
ワカサギ仔魚頭部(平面)
ワカサギ仔魚頭部(立面)
ノート note
fig.01a ふ化当日
fig.01a ふ化当日
fig.01b ふ化当日
fig.01b ふ化当日
【ふ化当日】2010年03月29日(月)
吻・鼻孔・眼・耳石が明確(fig.01a)
fig.02a 2日目
fig.02a 2日目
fig.02b 2日目
fig.02b 2日目
【2日目】2010年03月30日(火)
fig.03a 3日目
fig.03a 3日目
fig.03b 3日目
fig.03b 3日目
【3日目】2010年03月31日(水)
fig.04a 4日目
fig.04a 4日目
fig.04b 4日目
fig.04b 4日目
【4日目】2010年04月01日(木)
fig.05a 頭部全景
fig.05a 頭部全景
fig.05b 口部
fig.05b 口部
【5日目】2010年04月02日(金)
口は完全に開き、卵黄は消費されている
fig.05a〜fig.05eは同一個体
全体はfig.05e参照
fig.05c 上顎
fig.05c 上顎
fig.05d 下顎
fig.05d 下顎
【5日目】2010年04月02日(金)
上顎と下顎の様子
fig.05e 全体
click here to enlarge
fig.05e 【5日目】全体(ふ化仔魚・全長5.48mm)click here to enlarge.
【観察方法・器具】
●2010年03月18日受入の芦ノ湖産ワカサギ受精卵を、 容量約200ccの蓋付き透明ビーカーに収容、室内設置し、ふ化させた仔魚をサンプルに用いた。
●5日間に亘り毎日、仔魚数尾を10%ホルマリン固定し、光学顕微鏡で検鏡し、顕微鏡専用デジタルカメラで写真撮影した。

【考察】
●ふ化当日〜4日目は、「完全に口の開いた個体」を、観察・確認できなかった。
その原因は、サンプル作成時の選択不足と、検鏡時のサンプル姿勢制御技術不足と思われ、今後の課題である。
●5日目に、「完全に口の開いた個体」を、観察・確認した(fig.05a〜fig.05e)。
ホルマリン固定仔魚の開口・高さは200μm(fig.05b)、 口の横巾は250μm(fig.05c・fig.05d)、 下顎の縁の厚みは40〜50μm(fig.05d)と上顎の縁の厚み≒20μm(fig.05c)より強大であった。
●今回のワカサギふ化仔魚口径観察結果の測定数値は、前回のワカサギ飼育観察事例(※02)とほぼ整合している。
●従って、代田(※01)の算出した、ワカサギ摂餌開始時の口径226μmは、現在も有効と考えられる。

口部及び頭部以外の全体は、各部成長状況を確認できるよう 大判写真を掲載した。

【参考文献】
(※01)代田昭彦(1975)「若幼魚及び稚仔魚の口径と餌料」水産餌料生物学,170-187pp,恒星社厚生閣,東京
(※02)よしさん(2009):「ワカサギ仔魚の、ふ化後5日間の成長(その3)」http://wakasagi.jpn.org/
(※03)よしさん(2009):「ワカサギ仔魚の、ふ化後5日間の成長(その1)」http://wakasagi.jpn.org/

観察期間:2010年03月29日(月)〜04月02日(金)の5日間
発表:2010年04月03日(土) 前・牛久沼漁業協同組合顧問よしさん

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