【観察方法・器具】
●2010年03月18日受入の芦ノ湖産ワカサギ受精卵を、
容量約200ccの蓋付き透明ビーカーに収容、室内設置し、ふ化させた仔魚をサンプルに用いた。
●5日間に亘り毎日、仔魚数尾を10%ホルマリン固定し、光学顕微鏡で検鏡し、顕微鏡専用デジタルカメラで写真撮影した。
【考察】
●ふ化当日〜4日目は、「完全に口の開いた個体」を、観察・確認できなかった。
その原因は、サンプル作成時の選択不足と、検鏡時のサンプル姿勢制御技術不足と思われ、今後の課題である。
●5日目に、「完全に口の開いた個体」を、観察・確認した(fig.05a〜fig.05e)。
ホルマリン固定仔魚の開口・高さは200μm(fig.05b)、
口の横巾は250μm(fig.05c・fig.05d)、
下顎の縁の厚みは40〜50μm(fig.05d)と上顎の縁の厚み≒20μm(fig.05c)より強大であった。
●今回のワカサギふ化仔魚口径観察結果の測定数値は、前回のワカサギ飼育観察事例(※02)とほぼ整合している。
●従って、代田(※01)の算出した、ワカサギ摂餌開始時の口径226μmは、現在も有効と考えられる。
口部及び頭部以外の全体は、各部成長状況を確認できるよう
大判写真を掲載した。
【参考文献】
(※01)代田昭彦(1975)「若幼魚及び稚仔魚の口径と餌料」水産餌料生物学,170-187pp,恒星社厚生閣,東京
(※02)よしさん(2009):「ワカサギ仔魚の、ふ化後5日間の成長(その3)」http://wakasagi.jpn.org/
(※03)よしさん(2009):「ワカサギ仔魚の、ふ化後5日間の成長(その1)」http://wakasagi.jpn.org/