スポンサードなし、よしさんの自費研究成果です

ワカサギふ化放流ノート
亀山湖(F.コテージつばきもと桟橋)の動物プランクトン
Microphotographs of the freshwater plankton of lake kameyama.
fig.01 ケンミジンコ属
fig.01 ケンミジンコ属
Cyclopoida sp.
fig.02 ヒゲナガケンミジンコ属
fig.02 ヒゲナガケンミジンコ属
Diaptomidae sp.
fig.03 ゾウミジンコ
fig.03 ゾウミジンコ
Bosmina longirostris
fig.04 ハリナガミジンコ(丸頭)
fig.04 ハリナガミジンコ(丸頭)
Daphnia longispina
hyalinagaleata
fig.05 ハネウデワムシ
fig.05 ハネウデワムシ
Polyarthra frigla
fig.06 フクロワムシ
fig.06 フクロワムシ
Asplanchna priodonta
in Asplanchna priodonta
fig.07 初期餌料優良御三家
fig.07 初期餌料優良御三家
(左からカメノコウワムシ、テマリワムシ、カメノコウワムシ、ハネウデワムシ)
fig.08 テマリワムシ
fig.08 テマリワムシ
Conochilus hippocrepis
fig.09 テマリワムシ
fig.09 テマリワムシ
Conochilus hippocrepis
fig.10 ツボワムシ
fig.10 ツボワムシ
Brachionus calyciflorus
f.anuraeiformis
fig.11 コシブトカメノコウワムシ
fig.11 コシブトカメノコウワムシ
Keratella quadrata
var.quadrata
fig.12 コシブトカメノコウワムシ
fig.12 コシブトカメノコウワムシ
Keratella quadrata
var.quadrata
fig.13 サヤツナギ属
fig.13 サヤツナギ属
Dinobryon(原生動物)
fig.14 センチュウの一種
fig.14 センチュウの一種 Nematoda
fig.15 シネドラ属(珪藻)
fig.15 シネドラ属(珪藻)
Synedra acus
【亀山湖(F.コテージつばきもと桟橋)の動物プランクトン】
【結果】
千葉県亀山湖における、今回のプランクトン調査は、海外視察団(大韓民国春川市)到着待ち時間を利用し、 ボートを使用せず、F.コテージつばきもと桟橋でプランクトンを採取した。
検鏡の結果、04月の優占種と呼べるほど卓越した種は見られなかったものの、 ハネウデワムシ(fig.05)・ツボワムシ(fig.10)・コシブトカメノコウワムシ(fig.11-12)・テマリワムシ(fig.08-09)等、 比較的小型のワムシ類が多く観察された。
中大型のケンミジンコ属(fig.01)・ヒゲナガケンミジンコ属(fig.02)・ゾウミジンコ(fig.03)・ハリナガミジンコ(fig.04)は、 例年同時期に比し、個体数が少なかった。
合わせて、ミジンコ類4種・ワムシ類5種・原生動物1種、その他の出現を確認した。
植物プランクトンでは、シネドラ属(珪藻 fig.15)が異常繁殖し、優占種であった。

【考察】
今回のプランクトン調査結果では、比較的小型のワムシ類が多く観察され、中大型のミジンコ類は少なかった。
しかし例年04月は、上記中大型のミジンコ類の個体数が増加し、05〜06月は オオアタマミジンコ・ノロ等、より大型の プランクトンが出現し、前後するように比較的小型のワムシ類は減少する傾向にあり、今季04月に 小型のワムシ類が多く観察されたことは寧ろイレギュラーで原因は不明である。

ワカサギの初期餌料という視点から、今回のプランクトン調査結果を考えてみる。
亀山湖における今季ワカサギ受精卵ふ化放流状況は、
第1回受精卵受入2010年03月12日・ふ化放流日未詳
第2回受精卵受入2010年04月06日・ふ化放流日未詳
第3回受精卵受入2010年04月17日・ふ化放流日未詳、のようである。
ワカサギ仔魚の口径(※01〜02)から、初期餌料を200μm以下のプランクトンに限定すると、小さい順に、 ハネウデワムシ(fig.05)・テマリワムシ(fig.08-09)・コシブトカメノコウワムシ(fig.11-12)・ツボワムシ(fig.10)が 該当し、優良な初期餌料環境にあると思える。
従って、タイミング的に第2回ふ化放流仔魚の生残率は、高い可能性がある。
しかし場所的には、仔魚のふ化放流場所(水産センター)とプランクトン調査場所(F.コテージつばきもと桟橋)の相違から、 神奈川県丹沢湖の事例(※03)もあり、予断で喜ぶには時期尚早であろう。

植物プランクトン・シネドラ属(珪藻 fig.15)の異常繁殖は、2008年03月29日等にも亀山湖で発生し(※04)、 湖水の清澄度が低下している。

【参考文献】
(※01)代田昭彦(1975):「若幼魚及び稚仔魚の口径と餌料」水産餌料生物学,170-187pp,恒星社厚生閣,東京
(※02)よしさん(2010):「ワカサギふ化仔魚の口器及び口径観察日誌(2010)」(2010年04月)http://wakasagi.jpn.org/
(※03)よしさん(2010):「第14回ワカサギに学ぶ会参加報告」(2010年02月)http://wakasagi.jpn.org/
(※04)よしさん(2008):「亀山湖のシネドラ属」(2008年03月)http://wakasagi.jpn.org/
(※05)よしさん(2010):「フクロワムシを喰ったフクロワムシ」(2010年04月)http://wakasagi.jpn.org/

採取:2010年04月16日(金)13:00 亀山湖(千葉県君津市)F.コテージつばきもと桟橋にて
 天候● 気温3.1℃ (at13:00 sakahata) 水温11.0℃ 満水 水色ややマッディー
 検鏡及び同定:2010年04月17日(土)〜18日(日)
 発表:2010年04月19日(月) ワカサギ研究家よしさん
「ザ・レイクチャンプ」シークレット・ポイント0005 亀山湖

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