【考察】 モツゴふ化仔魚の初期餌料に最適なツボワムシ(fig.06)が優占しており、 モツゴふ化仔魚は、初期餌料に遭遇できる可能性が高く、ふ化後の第1ハードルを越え、生残率が高いと考えられる。 一方、2010年02〜03月に牛久沼内で自然繁殖し、あるいは人工ふ化増殖し、ある程度成長し(口径の大きくなっ)たワカサギ稚魚にも、 好適な餌料環境であると判断できる。 新造語で状況を換言すれば、03月中旬頃の牛久沼には、ふ化仔魚の乗り得る、主稼働している天然餌料エスカレータは1基であったが(※01)、 05月初旬には2段階目の天然餌料エスカレータが増設され、2基共に主稼働していると、見なせる。 オオアタマミジンコ・ノロ・ハリナガミジンコの出現(3段階目の天然餌料エスカレータ)は、例年これからである。 漁場ごとに相違する天然餌料エスカレータの把握は、資源マイルストーン管理の基本のひとつである。
【参考文献】 ※01 よしさん(2010): 「牛久沼で人工ふ化したワカサギ(2010年魚)用、初期餌料調査報告」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報 ※02 よしさん(2010): 「茨城県牛久沼におけるモツゴの産卵開始時期及び産卵床位置の嗜好性」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報