スポンサードなし、よしさんの自費研究成果です

ワカサギふ化放流ノート
長野県白樺湖のテマリワムシ(群体)
Conochilus hippocrepis of the lake Shirakaba,Nagano.
テマリワムシ(群体)
fig.01 テマリワムシ(群体) Conochilus hippocrepis
【長野県白樺湖のテマリワムシ(群体)】
長野県白樺湖のプランクトン調査を実施したところ、 上流st.sj・第2桟橋沖st.sp・堰堤前st.sd の3ケ所、及び下流の第2白樺湖st.s2 の 全地点でテマリワムシを観察した(※04〜※07)。
個体ひとつずつが、バラバラになっているものも多く見られたが、 見事なテマリワムシ(群体)も多く観察された(fig.01)。
05月の白樺湖においては、 ケンミジンコ・カブトミジンコ(尖頭)に次いで、第3位グループを ダフニア・ゾウミジンコ・テマリワムシが形成していた。
これら上位5種は、格別に特殊なプランクトンではなく、 関東平野の茨城県牛久沼(自然成因・海跡湖沼)や千葉県亀山湖 (人造湖)においても普通に見られる種である。

茨城県牛久沼の湖面標高は6m、千葉県雄蛇ケ池は17m、亀山湖は84mである。
湖面標高については、あまり留意していなかったが、山形県水窪ダム貯水池 の393mが、よしさんのプランクトン調査した最高地点であったが、 長野県白樺湖の湖面標高は、1416mで、期せずしてハイランド記録になった。

テマリワムシと同属のツノテマリワムシ Conochilus unicornis Rousselet は、 ヨーロッパアルプスの2359mにも分布し、 同科のテマリワムシモドキ Conochiloides dossuarius は、 中華人民共和国のチョモランマ山付近の湖面標高4950mや、 西蔵高原3720mでも観察されており(※02)、とんでもない標高適応能力の高さに驚かされる。
そんなことも、徐々に理解できるから、プランクトン観察は楽しい。

【参考文献】
(※01)中国地図出版社(1979):『中華人民共和国地図集』日文版,127pp,帝国書院,\2000
(※02)蒋燮治(1983):『西蔵水生無脊椎動物』第1版,vi+492pp,科学出版社(北京),80元
(※03)水野寿彦・高橋永治(2000):『日本淡水動物プランクトン検索図説』第1版第1刷,551pp,東海大学出版会,\18900
(※04)よしさん(2010):「白樺湖(上流)の動物プランクトン」(2010年05月)http://wakasagi.jpn.org/
(※05)よしさん(2010):「白樺湖(第2桟橋沖)の動物プランクトン」(2010年05月)http://wakasagi.jpn.org/
(※06)よしさん(2010):「白樺湖(堰堤前)の動物プランクトン」(2010年05月)http://wakasagi.jpn.org/
(※07)よしさん(2010):「第2白樺湖(左岸)の動物プランクトン」(2010年05月)http://wakasagi.jpn.org/

プランクトン採取:2010年05月18日(火) 白樺湖第2桟橋沖(長野県茅野市)にて
 検鏡及び同定:2010年05月19日(水)〜22日(土)
 発表:2010年05月30日(日) ワカサギ研究家よしさん
調査費助成: 本調査費用の一部は、 Mr.Y.morozumi 氏の助成によるものです。
記して感謝します。よしさん。

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