【よしさんコメント】
2010年08月03日に、茨城県牛久沼のレンタルボートたまや桟橋(st.ut)で採取したヒゲナガケンミジンコ科の一種を
良く観察し、オス♂の第5胸脚の特徴ある形状(fig.02)を『群馬の湖沼』(※01)・『日本淡水動物プランクトン検索図説』(※02)と比較照合し、
ヤマトヒゲナガケンミジンコ(fig.01)と、種の同定をした。
プランクトンを、魚類の天然餌料ととらえるだけなら、「ヒゲナガケンミジンコ科の一種」と判定できれば充分であろうが、
もう少し踏みこんで、種を明らかにし証拠記録を添え、報告公開することは、魚類以外に主な関心を持つ他分野の研究者への
参考にもなるであろう。
ヤマトヒゲナガケンミジンコ(fig.01)は、北海道から九州までの湖沼・人造湖・溜池に広く分布する淡水産日本固有種で、
特に関西地方に多いとされる(※02)が、群馬県下の阿佐美沼・鳴沢湖・丹生湖・竹沼・三名湖・鮎川貯水池・神流湖・赤城大沼(※01)
にも出現している。
茨城県牛久沼では、元東北大学教授大方昭弘博士の調査があり、2005年10月03日に、西谷田川河口と稲荷川河口で、
Eodiaptomus sp. が観察され、その報告は『魚たちのすみよい川と湖』(※03)に掲載されている。
よしさんは、2007年05月31日、牛久沼三日月橋下(st.um)で採取した個体を、
「ヤマトヒゲナガケンミジンコ Eodiaptomus japonicus」と同定し、報告している(※04)。
【参考文献】
※01 五味禮夫(1980):『群馬の湖沼』203pp,上毛新聞社出版局(前橋市), \1600
※02 水野寿彦・高橋永治(2000):『日本淡水動物プランクトン検索図説』09-16pp,東海大学出版会(東京), \18900
※03
『魚たちのすみよい川と湖』(2006年03月31日・茨城県内水面漁業協同組合連合会
平成17年度内水面漁場環境保全啓発活動事業小冊子・21pp・非売品)より
7〜21ページ(牛久沼の事例)を抜粋し、牛久沼漁業協同組合ホームページに転載
※04 よしさん(2007):「牛久沼(三日月橋下)の動物プランクトン」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報
※05 よしさん(2010):「牛久沼(レンタルボートたまや桟橋)の動物プランクトン」.亀山湖牛久沼ワカサギ情報
|