スポンサードなし、よしさんの自費研究成果です

ワカサギふ化放流ノート
尼ケ台池のカイミジンコ Darwinula stevensoni 0.1%の奇跡
The Darwinula stevensoni (zoo plankton) of the Amagadai pond.
fig.01 ダーウィヌラ
(カイミジンコ)
fig.01 尼ケ台池のカイミジンコ Darwinula stevensoni(Brady et Robertson,1870) 右殻
【尼ケ台池のカイミジンコ Darwinula stevensoni 0.1%の奇跡】

往古、南白亀川(なばきがわ)の溢水が、九十九里平野の低湿地に溜った自然成因池沼群のひとつ、 千葉県長生郡長生村尼ケ台池(※01)のプランクトン相を明らかにすることを目的に、2010年09月03日(金)、プランクトンを採取し、 現地でただちにホルマリン固定の上、持ち帰り検鏡観察した結果は別途報告した(※04)。

淡水産カイミジンコは数千種と言われ、日本では『淡水産種についての文献はほとんどない(中略)本図説に淡水産種40種をあげたが、 少なくとも100種は生息すると考えられるので、まだまだ多くの新種や日本新産の種が発見される可能性のある動物群である。』(※02)、 淡水産種のカイミジンコ類は全てポドコーパ目 Order Podocopida Sars,1866 で、『普通にみられる淡水産カイムシ類は99.9%までキプリス上科に属する。』(※02)とされる 研究の手薄な分野である。

キプリス上科以外の淡水産カイミジンコには、ダーウィヌラ上科(ダーウィニュラとも)Darwinulacea があり、世界で30種、 日本では Darwinula stevensoni(Brady et Robertson,1870)1種が知られており(0.1%の希少さ)、 写真のカイミジンコ(fig.01)の中央に見える中心筋痕と呼ばれる特徴ある模様が、ロゼット状(約10ケ・個体により1〜2の変異あり)に並ぶのは、 ダーウィヌラ上科の検索の確かな根拠である。

本稿は、千葉県の人造湖・亀山湖の水深10m地点におけるカイミジンコ Darwinula stevensoni(Brady et Robertson,1870)の採取・観察報告(※03)に続き、 千葉県内2例目のカイミジンコ Darwinula stevensoni に関する、よしさんの報告となるが、尼ケ台池は水深の浅い自然成因池沼であり、環境は(亀山湖と) 大きく相違する点が興味深い。

【参考文献】
(※01)よしさん(1996〜2010):尼ケ台池「ザ・レイクチャンプ」http://lake-champ.com
(※02)水野寿彦・高橋永治(2000):「ダーウィヌラ上科」『日本淡水動物プランクトン検索図説』121-123pp,東海大学出版会(東京), \18900
(※03)よしさん(2007):「亀山湖のカイミジンコ Darwinula stevensoni 0.1%の奇跡」http://wakasagi.jpn.org/
(※04)よしさん(2010):「千葉県尼ケ台池のプランクトン」http://wakasagi.jpn.org/
(※05)よしさん(2010):「千葉県尼ケ台池の食虫植物タヌキモ」http://wakasagi.jpn.org/

採取:2010年09月03日(金)10:30 天候○ 気温:35.1℃ (at11:00 mobara) 水温:30.0℃
水位:0.5m減水 水の透明度:良好 検鏡撮影:2010年09月06日(月)〜09日(木)
発表:2010年09月14日(火)前牛久沼漁業協同組合顧問よしさん
「ザ・レイクチャンプ」シークレット・ポイント0070 尼ケ台池

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