観察したプランクトンを上に示す(fig.01-fig.08)。
多く見られた種は、カブトミジンコ(fig.05-fig.06)で、ワムシ類はフクロワムシ(fig.08)を確認したが、
その他の種は未観察である。
今回の調査で、ミジンコ類6種+1変異体・ワムシ類1種の出現を確認した。
【考察】
同一水体で同時に、多くの近縁種が出現することは(餌料の競合となり)少ないようだが、
ミジンコ類6種の同時出現を、よしさんは、3度観察している。
■2008年10月 亀山湖(千葉県)(※02)
■2010年05月 白樺湖(長野県)(※03)
■2010年08月 笹川湖(千葉県)(※04)
いずれも人造湖という共通点がある。
02月の亀山湖は、極小の原生動物及び小型のワムシ類が未だ豊富ではなく、仔稚魚の餌料プランクトン環境は、
劣悪である。
その一方で、中型〜大型のプランクトンが見られたことから、未成魚〜成魚段階の魚類の餌料プランクトン環境は、
良好と推察された。
【東日本大震災 備忘録】
プランクトン採取後、雑用を片付け、一段落したら検鏡しようと考えていた矢先、
2011年03月11日、東日本大震災が発生した。
元職時代に永らく袖擦り合ってきた、青森県八戸市河原木の某社と某社、岩手県種市町の栽培漁業センター、
宮城県石巻市重吉町の某社、仙台市宮城野区港の某社と某社、福島県いわき市小名浜の某社と某社、
茨城県神栖市東深芝・東和田・南浜の某社と某社と某社、波崎町の水産工学研究所等の設備を
襲う大津波が脳裏に浮かび、気持ちが深く沈んだ。
被災地が広範囲にわたること及び壊滅的被害状況が判明するにつれ、驚愕し、悲しみ、暗澹とした。
同時に、東京電力株式会社福島第1原子力発電所のメルトスルーによる放射能拡散は今も続き、
深刻な汚染を及ぼしていることも、鬱症状のように静かに心の壁となった。
07月の水辺で風に吹かれていると、身近な水域の生態系を継続的に観察し発表する者は少数派であること、
なかでも魚類餌料プランクトン関係は、自由に動ける在野の研究者が稀有であることに改めて思い至った。
3.11から4ケ月の僂龍忍耐期を経て、再び活動する時が巡り来た。
【参考文献】
(※01)よしさん(1996〜2011):亀山湖「ザ・レイクチャンプ」http://lake-champ.com
(※02)よしさん(2008):「亀山湖(角柳)の動物プランクトン」(2008年10月)http://wakasagi.jpn.org/
(※03)よしさん(2010):「白樺湖(上流)の動物プランクトン」(2010年05月)http://wakasagi.jpn.org/
(※04)よしさん(2010):「千葉県笹川湖のプランクトン(2010)」(2010年08月)http://wakasagi.jpn.org/
(※05)水野寿彦・高橋永治(2000):『日本淡水動物プランクトン検索図説』1-551pp,東海大学出版会(東京), \18900
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