亀山湖・牛久沼は首都圏近郊のワカサギ釣り場をめざします

ワカサギふ化放流ノート
亀山湖のボルボックス
Volvox sp. of lake kameyama.
亀山湖(千葉県君津市)は、1979(昭和54)年に完成した、千葉県最大の人造湖である(※02)。

fig.01 ボルボックス属
fig.01 ボルボックス属 Volvox sp.
fig.02 ボルボックス属
fig.02 ボルボックス属 Volvox sp.(原生動物・部分)
【亀山湖のボルボックス】
今回のプランクトン調査(F.コテージつばきもと桟橋)結果の、優占種はボルボックス属であった。
近年の亀山湖における、よしさんのボルボックス属の観察は、 2006年06月14日・07月29日・08月26日・09月30日、 2007年05月26日・06月30日・08月25日・09月29日・10月27日、 2008年06月28日・07月26日・10月25日、2010年08月20日、2011年06月13日等である ことから(※05)、亀山湖におけるボルボックス属の出現期間は、05月下旬〜10月下旬と推定される。

ボルボックス属は、直径450〜900μm程度の球状の表層に配列し群体となり(fig.01写真)、 群体表層の面積100μm中に約45個体が集まっている(fig.02写真)。
生殖細胞のゴニジア(fig.02写真の黒っぽい丸)は、群体の後方に散在することが解かる。

2012年05月22日、 東大と慶応大の研究グループが、ボルボックス属で日本産の新種2種を発見したと、オンラインメディア各社で報道された(※07)。
その概要は、日本にいるボルボックス属4種の内、ボルボックス・グロバトル(学名:Volvox globator)及び ボルボックス・バルベリ(学名:V. barberi)の2種は米国由来、ボルボックス・フェリシイ(学名:V. ferrisii)及び ボルボックス・カーキオルム(学名:V. kirkiorum)の2種が日本産の新種で、ボルボックス・フェリシイが関東3県(埼玉・茨城・神奈川)から、 ボルボックス・カーキオルムが岐阜県から発見されている、というもの。

05月の亀山湖の水中は、ボルボックス属が優占し、他の動物プランクトンは種こそ多様なものの、量的に少数派であった(※08〜09)。
この時期に仔稚魚時代を過ごす魚種には、初期餌料(特に小型動物プランクトンのワムシ類)不足による斃死が懸念される。

【参考文献】よしさん架蔵書
(※01)猪木正三(1981):ボルボックス目『原生動物図鑑』,284-285pp,講談社,東京, \25800
(※02)よしさん(1996〜2012):亀山湖「ザ・レイクチャンプ」http://lake-champ.com
(※03)水野寿彦・高橋永治(2000):『日本淡水動物プランクトン検索図説』1-551pp,東海大学出版会(東京), \18900
(※04)田中正明(2002):オオヒゲマワリ『日本淡水産動植物プランクトン図鑑』38-39pp,名古屋大学出版会(名古屋市), \9975
(※05)よしさん(2006〜2011):「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」http://wakasagi.jpn.org/
(※06)よしさん(2007):亀山湖(角柳)のボルボックス「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」http://wakasagi.jpn.org/
(※07)デイビー日高(2012):「東大と慶応大、群体性緑藻ボルボックスで、日本産の新種2種類を発見」マイナビニュース.http://news.mynavi.jp/news/2012/05/22/093/index.html
(※08)よしさん(2012):亀山湖のノロ「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」http://wakasagi.jpn.org/
(※09)よしさん(2012):皐月の亀山湖(F.コテージつばきもと桟橋)における魚類餌料プランクトン調査報告「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」http://wakasagi.jpn.org/

採取:2012年05月23日(水)12:00 亀山湖(千葉県君津市)F.コテージつばきもと桟橋
天候○ 満水 水温22.4℃ 水色普通 気温21.3℃
発表:2012年06月07日(木)ワカサギ研究家よしさん
「ザ・レイクチャンプ」シークレット・ポイント0005 亀山湖

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