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ワカサギふ化放流ノート
ツツジ属 Rhododendron sp. ワカサギという植物考察
Plant consideration called the "Wakasagi" of the Rhododendron.
summary:
Generally, the premises are classified in kind of fish in a description in word of mouth when I discuss "wakasagi" It becomes the tacit consent to point to the fresh-water smelt (Hypomesus nipponensis, Kljukanov 1970).
If "wakasagi" which is not fish exists even if there is the person saying that such a thing will be natural, the circumstances are different.
Rhododendron sp. which at first I researched and survey the plant called the "wakasagi" in this report, and was left to old classical books.
Then, I stand in the field and observe "wakasagi" and some close species after having chased gardening kind "wakasagi" Rhododendron ripense Makino cv. wakasagi by documents.
Furthermore, I show a new idea provided through observation and consideration.
It may be necessary to preface it with the fresh-water smelt of fish from now on when I say fresh-water smelt.
fig.00 セイヨウシャクナゲ'太陽'
fig.00 セイヨウシャクナゲ'太陽' Rhododendron cv.taiyo
(2013年04月26日撮影・国立科学博物館筑波実験植物園/茨城県つくば市にて)

【ツツジ属 Rhododendron sp. ワカサギという植物考察】

一般にワカサギを論じる時、口頭であれ記述であれ、その前提は魚類の一種に分類されるところの ワカサギ( Hypomesus nipponensis, Kljukanov 1970 )を指すことが、暗黙の了解となっているようだ。
そんなことは当たり前だろうと言う人もあるだろうが、魚類ではないワカサギが存在するとなれば、事情は違ってくる。
本稿では、先ず「ワカサギという植物」を探究し、古典籍に遺されたツツジ属 Rhododendron sp. を概観し、 次に、文献で園芸品種ワカサギ Rhododendron ripense Makino cv. wakasagi を追跡した上で、フィールドに立ちワカサギ及びいくつかの近縁種等を観察する。
さらに、観察と考察を通じ得られた新しいアイデアを提示する。
これからは、ワカサギと言う時、魚類のワカサギと前置きする必要があるかも知れない。

【0101 古典籍にツツジを概観する】
平安時代初期、892(寛平04)〜927(延長05)に著わされた、『本草和名』(※05)の羊躑躅の項で、深江輔仁は 「陶景注云羊誤食躑躅而死故以名之、一名玉支一名史光 出釈薬性 和名以波都ゝ之 又之呂都ゝ之 一名毛知都ゝ之」と毒性を記し、 イワツツジ・シロツツジ・モチツツジの和名をあてている。
927(延長05)の成立とされる、『倭名類聚鈔』(※01)の羊躑躅の項で、源 順は 「陶隠居本草注云羊躑躅 擲直二音和名以波豆豆之 一云毛知豆豆之 羊誤テ食ヘハ之躑躅而死故以名之」と イワツツジ・モチツツジの和名をあて、毒性を記しているが、記述内容は『本草和名』(※05)とほぼ同様である。
以下に、よしさん架蔵『本草和名』(※05・fig.01)及び『倭名類聚鈔』(※01・fig.02)の、該当箇所を示す。

fig.01 よしさん架蔵『本草和名』の「羊躑躅」部分
fig.01 よしさん架蔵『本草和名』の「羊躑躅」部分

fig.02 よしさん架蔵『倭名類聚鈔』の「羊躑躅」部分
fig.02 よしさん架蔵『倭名類聚鈔』の「羊躑躅」部分

奥付表記で、1638(寛永15)刊行とされる俳諧書『毛吹草』(※15)の巻第一は、句体の良否を論評しているが、原著者松江重頼は、
色よ香よかろしめられぬ岩つゝし
花の皃(ボウ)いとおもおもし岩つゝし
此の如く言いかえて左右に作る者が多い「原文:如此云かへて左右に作者多し」(23pp)と、指南している。
また、巻第二の、俳諧四季之詞・三月に「もちつゝし れんけつゝし・白つゝし」を載せており(58pp)、 巻第三の、付合・「つ」に「つゞし 躑躅」を載せ(127pp)、 巻第五の、春・「躑躅」に次の六首が選ばれている(234-235pp)。

色よ香よかろしめられぬ岩つゝし 延勝
又見んの念力とをれ岩つゝし 宗茂
くれかぬる心やねばき餅つゝし 光英
見ずにいなは心かろ石と岩つゝし 弘永
盛をや見ざるきかざる岩つゝし 静壽
いつれありとひとつ口には岩つゝし 同

岩つゝしはイワツツジと読めることはもとより、モチツツジ・レンゲツツジ・シロツツジを含め詠む人が多く、 その背景に山野の自生株が隆盛であったことが窺われる。
『毛吹草』の刊行年については、岩波本校訂者竹内 若の「毛吹草の刊年及び諸本考略」(巻末・493-505pp)に従い、 本稿【参考文献】欄は「原本は1645(正保02)」とした。
なお、植物愛好家には蛇足かと思うが、本書は魚類のワカサギ研究者には重要書目である。
なぜなら、巻第四の、諸国古今名物「若狭 北陸道」に「味方堀(ミカタノホリニ)アマサギ魚也」(174pp)の記述があり、 それは三方湖(福井県若狭町)のワカサギを示すと同時に、ワカサギが書物に載った古い記録だからである。

時代は下って、1681(延宝09)に『花壇綱目』(※02)が、1692(元禄05)に『錦繍枕』(※03)が、 1695(元禄08)に『花壇地錦抄』(※04・※06・※11)が刊行され、それぞれに多数のツツジ類の記述が見られる。
この3点の詳細については、後述する。
さらに、『花壇地錦抄』(※04・※06・※11)の14年後、1709(宝永06)に刊行された、『大和本草』の 躑躅の項で、貝原益軒は「大小霧島其外種類近年甚多シカソヘツクスヘカラス」と、数え切れぬほど多種であることを嬉しく嘆き、いくつかの種を説明している。
よしさん架蔵『考註大和本草』(※08)から、該当箇所を示す(8-9pp・fig.03)。

fig.03 よしさん架蔵『考註大和本草』の「躑躅の項」
fig.03 よしさん架蔵『考註大和本草』の「躑躅の項」

宮澤文吾博士は『花木園藝』(※12)に、レンゲツツジが書物に載った2番目を、 「之に次では錦繍枕巻の3である。」としながらも、
「所が錦繍枕と同人の著である増補地錦抄(宝永7年2370年)巻の3にはクチバとしては"黄色大りん花にどくあり"とし レンゲツツジとしては"かはらけ色大りん"と説明してクチバとレンゲツツジとの2種があることになつてゐる。此説明からすれば 前者はキレンゲツツジに當るものと思はれる。又前に挙げたクワリンはベニレンゲに相當するものであらう。」 (318pp)と、 著者の齟齬を鋭く指摘している。
最近の研究で、水谷泰弘は「江戸の園芸書から」(※22)に、 『錦繍枕』及び『花壇地錦抄』は伊藤伊兵衛三之丞(父)の著作、『増補地錦抄』は伊藤伊兵衛政武(子)が亡父三之丞の遺書に自画を入れた 増補本と記しており、著者が同一人ではなく父子2人であることが、宮澤文吾博士の疑問(著述変化)の原因と知れる。

小野蘭山のあと、京都学派の中心となった本草学者山本亡羊の四男・山本章夫(1827-1903)の遺稿『萬葉古今動植正名』 は、1926(大正15)年の章夫23回忌に上梓され(和装本)、よしさん架蔵書はその復刊本(洋装本・※13)である。
山本章夫『萬葉古今動植正名』(※13)の「つゝじ」に、につゝじ(漢名山躑躅)・しらつゝじ(漢名白躑躅)・ いはつゝじ(漢名羊躑躅)が挙げてある(137pp)。
説明に曰く。

「つゝじの属。花みなつゝしべなるゆゑ。つゝじと名づくるか。つゝじは。つゝしべの下略。 普通紅花のものを。につゝじとす。その白きものを。しらつゝじとす。又黄花のものを。きつゝじとす。 一名いはつゝじ。多く山巌絶壁のところに生するもて。名づくるなり。此花毒あり。羊之を食へは。 煩悶して躑躅(くるしむ)す。よて羊躑躅と名く。されば躑躅二字のみにては。名をなさゞれども。 それより假りて。山躑躅。白躑躅。紫躑躅。など稱することを得るなり。」
ツツジはつゝしべ(筒蕋)が語源で、つゝしべが略されツツジと呼ばれ、表記は羊が置き去られ 単に躑躅となったことを、山本章夫は指摘している。

薬用植物分野の伊沢凡人博士は、『原色版日本薬用植物事典』(※14)の、ツツジ科(Ericaceae)に、 ネジキ L'yonia Neziki Nakai et Hara・アセビ Pieris japonica D.Don・レンゲツツジ Rhododendron japonicum Suringer・他の4種を挙げている。
レンゲツツジの成分については「葉は、Andromedotoxin。花は、Rhodojaponin。根皮は、Sparassol(Evernic acid methylester)。」、 薬理作用については「アセビ」の項参照として、「アセビ」の項に 「アンドロメドトキシンは、カエル・マウス・家兎に対し、注射で、運動麻痺・呼吸困難・四肢の痙攣などを誘発し、 呼吸中枢の麻痺で致死。家兎および猫に対する最少致死量は、皮射で、0.35mg/kg、静射で、0.18mg/kg。」、 「ツツジ科植物の花から集められた蜂蜜では往々中毒事故がおきている。」と指摘し、ネジキの葉のアンドロメドトキシン様作用物質の 毒性(ヤギに対する致死量等)も説明した上で、ネジキ及びアセビの葉を殺蛆の目的で便槽中へ投入する民間療法の事例を述べている(156-158pp)。
レンゲツツジの項で、漢名の羊躑躅(一般的慣用)は中国産の R. molle G.Don とする説を支持しつつ、民間療法で 「地方により慢性リュウマチによいとして、花や根を酒にひたし、のむふうがあるが好ましくない。ただし、普通のアルコール性飲料はリュウマチによい」 と記述され、(食めば)羊もうずくまり、蛆も殺す原因となる成分アンドロメドトキシンの毒性を踏まえ、 家庭で応用しては危険であることが、科学的に明快に示されている。

【0102 文献に園芸品種ワカサギを追跡する】
植物学の大家・牧野富太郎博士の「日本産のつつじ並にしゃくなげの類」は、1936(昭和11)年07月『随筆草木志』(※07) (いそつつじの項・283-285pp)に初出する。
その後、「日本産つつじ並びにしゃくなげの類」と改題され、 1970(昭和45)年07月『牧野富太郎選集』(※10)第四巻の植物随想T(42-59pp)に再録されている。
やや長くなるが、核心部を『牧野富太郎選集』より引用し、紹介する。

いそつつじ Rhododendron ripense Makino
常緑の小灌木であって繁多に枝を分かち、枝は輪生し小枝には粗毛が生じている。
葉は小枝の梢頭に集まり付き狭き披針形をなして、鋭頭あるいは短き鋭尖頭を有している。
長さ一寸ないし一寸六、七分、幅二分ないし四分ばかりありて薄き革質をなし、表面に毛を有しかつ縁毛がある。
葉柄は短くて密毛を有する。
花はきわめて淡き紅色であって一ないし三個繖形をなして小枝頭に出で、新葉と 時を共にしている。
小梗は直立し細毛は生ずれども腺はなし。
萼(がく)は五片ありて狭披針形を呈して尖り、緑色で腺毛を散布し、長さおよそ五分ばかりである。
花冠は漏斗状鐘形でおよそ一寸三分ないし一寸七、八分の径があり、五裂してほぼ二唇を呈しており、 裂片は楕円形もしくは長楕円形である。後面に斑点を有する。
十雄蕋(おしべ)があって花冠より長くはなく、 花柱は少しく雄蕋より長い。
刮ハは宿存せる萼片より短く、平臥せる粗毛を有する。
この種は東京辺では往々庭園に栽植せられているが、その名はわかさぎと聞いたように覚えているが、 これが果して確かなのかどうかは知らない。
四国にありてはこの種が大河の岸に自生しており土佐の国の越知村≪おちむら≫辺では方言をいそつつじと呼ぶのである。
すなわち仁淀川≪によどがわ≫の川縁に多い。
また伊予の国の銅山川≪どうざんがわ≫の河岸にも多くこれを生じている。
この品はりゅきゅうつつじ[りゅうきゅうつつじ]ならびにむらさきりゅうきゅうとはなはだ相似ているが、 しかしその葉はこれらより狭く、花冠の裂片はそれより狭く、また花色は薄くて、これまたそれより違っている(56-57pp)。
≪ ≫原ルビ・ ( )よしさんルビ・ [ ]よしさん校正

1893(明治26)年05月03日、牧野富太郎博士が、愛媛県で採取した Rhododendron ripense Makino. は、オンラインに公開されており、そのオリジナル標本を見ると、キシツツジのラベルが付され 、また Iso-tsutsuji(vernacular name in Tosa) とも記されている(※21)。
牧野富太郎博士は、イソツツジ(キシツツジ)そのものが、東京付近では「わかさぎ」と呼ばれるようだとし、 それ以上の追跡はしていない。

1969(昭和44)刊行の『シャクナゲとツツジ』(※09)に掲載された「ヤマツツジとその仲間」で、 植物研究家・斎藤文治は「キシツツジ R. ripense Makino 」の中にワカサギツツジ f.wakasagi Makino の項を立て、 「花が八重咲きで、観賞用に栽植される。」と短く説明している(139pp)。
しかし、同書に該当する図及び写真はなく、斎藤の言う「ワカサギツツジ f.wakasagi Makino 」が ワカサギ Rhododendron ripense Makino cv. wakasagi であるかの 確認は残念ながらできない。
と同時に、同様の理由及び後述するよしさんのワカサギ観察事例は一重であったことから「八重咲き」についても現時点で同意しがたい。

塚本洋太郎博士は、1989(平成元)刊行の『園芸植物大事典』(※18)で、キシツツジを以下のように監修している。

R. ripense Makino(リペンセ)和 キシツツジ/別名 イソツツジ TT,TU。
九州中国四国に分布し、おもに河川の上・中流域の川岸に自生しているのでキシツツジの名が つけられた。
淡紫色、大輪の花をつけ、花つきが多く観賞価値が高い。
川岸に自生しているので、根が湿りけに強く丈夫である。
葉は細長く、枝もやや細めでしなやかに伸び、自生する株は川岸に枝垂れるように枝を伸ばして いるものが多い。
キシツツジには秋咲きする性質があり、その年の気候によっては秋に数多くのはなを咲かせる ことがある。
”若鷺”(わかさぎ)といわれる園芸品種は極淡紫色の上品な花を咲かせ、江戸時代には ”ひとしお”の名でよばれていた(240pp)。

塚本洋太郎博士は、ワカサギはキシツツジから作出された園芸品種であることを追認され、またワカサギの江戸時代における呼称は”ひとしお”と同定された。
同書ツツジ属に、キシツツジ Rhododendron ripense Makino、'若鷺' Rhododendron ripense 'Wakasagi'を含め、 近縁種のモチツツジ Rhododendron macrosepalum Maxim. (マクロセパルム) 異名 R.linearifolium Sieb. et Zucc. var. macrosepalum (Maxim.) Makino 、 モチツツジとキシツツジの雑種と見られる'峰の松風' Rhododendron macrosepalum 'Mine-no-matsukaze' 、 オオムラサキ Rhododendron oomurasaki Makino 、 オオムラサキ'筑紫絞り' Rhododendron oomurasaki 'Tsukushi-shibori' 、 オオムラサキ'曙' Rhododendron oomurasaki 'Akebono' 、等多数がカラー写真入りで説明されており、マニア垂涎の書と言えよう。
そこで、塚本洋太郎博士説に従い、江戸時代の園芸専門古典籍3点に”ひとしお”を追跡してみる。
先ず、1695(元禄08)に刊行された、伊藤伊兵衞三之丞『花壇地錦抄』(※04)では、 「躑躅のるひ」に、「ひとしほ」が挙げられ、その短い説明に「櫻色大りん花形ゆりのごとく」とある(fig.04 国立国会図書館デジタルコレクション - 花壇地錦抄全6巻2巻16丁表ひとしほ)。
『花壇地錦抄』平凡社版(※11)では、「躑躅のるい」(51-58pp)の内、「ひとしお 桜色、大りん、花形ゆりのごとく」(52pp)と出る。

fig.04 『花壇地錦抄』の「ひとしほ」
fig.04 『花壇地錦抄』の「ひとしほ」国立国会図書館デジタルコレクションより転載

次に、1692(元禄05)に刊行された、伊藤伊兵衛三之丞『錦繍枕』(※03)は、サツキ類163品・ツツジ類173品を扱い、 ワカサギ(わかさぎ)という記載はないものの、「ひとしほ」が図と共に挙げられている(1巻21丁裏及び22丁表)。
この図から、花冠は漏斗状鐘形で、六裂し、六雄蕋と一つの雌蕋があることが解かる(fig.05 国立国会図書館デジタルコレクション - 錦繍枕)。
しかし何分にもモノクロームで、ポンチ絵程度の描画であることは残念だし、「六雄蕋」にも今は同意しがたい。

fig.05 『錦繍枕』の「ひとしほ」
fig.05 『錦繍枕』の「ひとしほ」国立国会図書館デジタルコレクションより転載

さらに遡って、1681(延宝09)に刊行された、水野元勝ら『花壇綱目』(※02)下巻の「躑躅異名乃事」では、ツツジ類147品のリスト が掲載され、下巻16丁表に「一しほ」が挙げられている(fig.06 国立国会図書館デジタルコレクション - 花壇綱目全3巻下巻)。

fig.06 『花壇綱目』の「一しほ」
fig.06 『花壇綱目』の「一しほ」国立国会図書館デジタルコレクションより転載

江戸時代の代表的古典籍3点に掲載されていることを踏まえ、”ひとしお”がワカサギの古名であるなら、 少なくとも園芸品種ワカサギは、1681(延宝09)年以前より栽培され観賞されてきたと考えられる。
けれども依然として、いつ・誰が、作出し、名づけたのかは、残念なことに不詳である。
将来、ツツジ園芸家で且つ園芸品種の起源に興味を抱く誰かが、江戸時代の古文書を解読し、 明らかにしてくれることを楽しみにしておこう。

【0201 園芸品種ワカサギを観察する】
園芸品種ワカサギの観察報告をする前に、ふと抱いた素朴な疑問「ツツジ属 Rhododendron sp. の種類数の変遷」 及び「分類体系の概要」は、どのようであるかについて、整理してみる。
ツツジ属 Rhododendron sp. の自生種数は、1969(昭和44)に刊行された、東京山草会監修『シャクナゲとツツジ』(※09)で 奥山春季国立科学博物館名誉館員が、世界的には約600種が知られているが、「日本列島の自生種は四十三種で、ほかに琉球諸島に五種、 小笠原諸島に一種、千島列島の南部に四種が分布している。」(2pp)と述べ、合計53種と知れる。
1997(平成09)の博士論文「常緑性ツツジの類縁関係と園芸品種の起源解明に関する研究」(※19)で 小林伸雄博士・教授は、「約800種、日本は約50種が自生(中尾・和田1970)」(1pp)としている。
2008(平成20)のプレゼンテーション「市場拡大を促す新種ツツジの育成技術」(※27)で 株式会社鹿児島TLOは「ツツジ属 (Rhododendron)は、一般に5亜属、約850種からなる 常緑または落葉性の低木である。(以下略)」(2pp)と発表している。
従って、世界の自生種数は、時代を経るにつれ発見に伴い増加傾向にあり約850種と見られ、 このうち、日本の自生種数は、約50種とされる。
一方、ツツジ属 Rhododendron sp. の園芸品種数は、 2009(平成21)に国立民族学博物館調査報告84として刊行された、山本紀夫編『ドメスティケーション―その民族生物学的研究』 (※28)中に収録された「古典園芸植物のドメスティケーション」で、仁田坂英二博士は1000種(現存品種)としている (古典園芸植物の分類および品種分化 表1)。
ついでに、同・表1から他の園芸植物の品種数を拾うと、ハナショウブ5000種・カンラン3000種・ツバキ2300種・ サツキ2000種・アサガオ1000種等となる。

ツツジ属 Rhododendron sp. の分類体系については、複数の提唱があり世界的に確定していないが、 日本では日本原産のツツジ属の分類体系として、山崎(1989)の分類体系が良く使用されているようだ。
もちろん本稿の目的は、分類体系の論述ではないから、簡単に事例を挙げておこう。

ツツジ科−ツツジ亜科−ツツジ連−ツツジ属−ツツジ・シャクナゲ群−ツツジ亜属−節(亜節)−列−種−亜種

例えば、キシツツジは、コメツツジ節モチツツジ亜節モチツツジ列キシツツジ Rhododendron ripense Makino となる。
ツツジ属で約850種、このうち、日本の自生種数約50種の状況だけでも、大きな属だと感心する。
さらに、ツツジの園芸品種数が、ひとつの属のみで1000種と聞けば、 魚類・プランクトン類に馴染んだ頭脳には(魚類・プランクトン分野における人為的作出は例外的少数)多過ぎて驚嘆するしかない。

ワカサギ Rhododendron ripense Makino cv. wakasagi は、キシツツジ Rhododendron ripense Makino の園芸品種といわれ(※18)、 両者は似ているため、その違いを明確に把握できるよう、本稿の主目的とする園芸品種ワカサギ(fig.07-fig.09)及び対照区的意味合いからキシツツジ(fig.10-fig.12)の 双方を並べ観察する。

fig.07 ワカサギ 5弁10雄蕋 fig.08 ワカサギ 5弁 8雄蕋 fig.09 ワカサギ(全景)
fig.07-fig.09 ワカサギ Rhododendron ripense Makino cv. wakasagi(2014年04月19日撮影・株式会社千秋社清水公園/千葉県野田市にて)
fig.07 ワカサギ 5弁10雄蕋,fig.08 ワカサギ 5弁 8雄蕋,fig.09 ワカサギ(全景)

fig.10 キシツツジ 5弁10雄蕋 fig.11 キシツツジ 5弁10雄蕋 fig.12 キシツツジ(全景)
fig.10-fig.12 キシツツジ Rhododendron ripense Makino (2013年04月26日撮影・国立科学博物館筑波実験植物園/茨城県つくば市にて)
fig.10 キシツツジ 5弁10雄蕋,fig.11 キシツツジ 5弁10雄蕋,fig.12 キシツツジ(全景)

ワカサギ Rhododendron ripense Makino cv. wakasagi の開花時期は、植栽された場所(地方)により、また年により相違することは当然である。
表01(table.01)に開花時期の事例を示す。

  ○=花期 ×=落花 場所
1952年05月02日 東京都八王子市(森林総合研究所浅川実験林)(※29)
1952年05月16日 東京都八王子市(森林総合研究所浅川実験林)(※29)
1997年06月10日 北海道札幌市(森林総合研究所北海道支所)(※20)
2013年05月05日 × 千葉県野田市(株式会社千秋社清水公園)(※31)
2014年04月15日 千葉県野田市(株式会社千秋社清水公園)(※32)
2014年04月19日 千葉県野田市(株式会社千秋社清水公園)
table.01「ワカサギ Rhododendron ripense Makino cv. wakasagi の開花時期」

【0202 ワカサギの近縁種を観察する】
キシツツジ Rhododendron ripense Makino とモチツツジ Rhododendron macrosepalum Maxim. (マクロセパルム) の 雑種と見られる'峰の松風' Rhododendron macrosepalum 'Mine-no-matsukaze' (※18)も大輪で美しい(fig.13-fig.15)。
街路や造園に植栽され、見かける機会の多い、オオムラサキ Rhododendron oomurasaki Makino (fig.16-fig.18)、 オオムラサキ'曙' Rhododendron oomurasaki 'Akebono' (fig.19-fig.21)、 オオムラサキ'白妙' Rhododendron oomurasaki 'Shirotae' (fig.22-fig.24)、 も近縁種で、前段同様に並べ観察する。

クロフネツツジ Rhododendron schlippenbachii は、古い外来種で、1695(元禄08)年刊行の 『花壇地錦抄』に、「くろふね さくらいろ、大りん、からのつつじなり」(※11・平凡社版 56pp)と見える。
もちろん、近縁種ではなく、大陸原産で朝鮮半島から、「1661〜1672(寛文年間)に日本に渡来した」と 『地錦抄附録』(※15)巻之三の「△寛文年中渡ル品々」(182pp)を引いて、磯野直秀慶応大学名誉教授が渡来時期を指摘している(※25・35pp)。
クロフネツツジ も、外観がワカサギに似るため掲載しておく(fig.25-fig.27)。

fig.13 峰の松風 6弁11雄蕋 fig.14 峰の松風 6弁10雄蕋 fig.15 峰の松風(全景)
fig.13-fig.15 峰の松風 Rhododendron macrosepalum 'Mine-no-matsukaze'(2013年05月01日撮影・環境省自然環境局新宿御苑/東京都にて)
fig.13 峰の松風 6弁11雄蕋,fig.14 峰の松風 6弁10雄蕋,fig.15 峰の松風(全景)

fig.16 オオムラサキ 5弁10雄蕋 fig.17 オオムラサキ(花弁の径) fig.18 オオムラサキ(全景)
fig.16-fig.18 オオムラサキ Rhododendron oomurasaki Makino (2013年04月29日撮影・街路樹/千葉県船橋市にて)
fig.16 オオムラサキ 5弁10雄蕋,fig.17 オオムラサキ(花弁の径),fig.18 オオムラサキ(全景)

fig.19 曙 5弁10雄蕋 fig.20 曙 5弁10雄蕋 fig.21 曙(全景)
fig.19-fig.21 曙 Rhododendron oomurasaki 'Akebono'(2013年04月29日撮影・街路樹/千葉県船橋市にて)
fig.19 曙 5弁10雄蕋,fig.20 曙 5弁10雄蕋,fig.21 曙(全景)

fig.22 白妙 5弁10雄蕋 fig.23 白妙 5弁10雄蕋 fig.24 白妙(全景)
fig.22-fig.24 白妙 Rhododendron oomurasaki 'Shirotae'(2013年04月29日撮影・街路樹/千葉県船橋市にて)
fig.22 白妙 5弁10雄蕋,fig.23 白妙 5弁10雄蕋,fig.24 白妙(全景)

fig.25 クロフネツツジ 5弁10雄蕋 fig.26 クロフネツツジ 5弁10雄蕋 fig.27 クロフネツツジ(太い葉)
fig.25-fig.27 クロフネツツジ Rhododendron schlippenbachii(2014年04月26日撮影・国立歴史民俗博物館くらしの植物苑/千葉県佐倉市にて)
fig.25 クロフネツツジ 5弁10雄蕋,fig.26 クロフネツツジ 5弁10雄蕋,fig.27 クロフネツツジ(太い葉)

ワカサギ Rhododendron ripense Makino cv. wakasagi の花の特徴は、「5弁10雄蕋」と判で押したように説明されることが多いようだが、 よしさんの観察では、5弁 8雄蕋(fig.08)・5弁 9雄蕋(未掲載)・5弁10雄蕋(fig.07)の個体が見られた。
先に紹介した『錦繍枕』(※03)の「ひとしほ」の図に、花冠は漏斗状鐘形で、六裂し、六雄蕋と一つの雌蕋が示されており(fig.05)、 他の観察報告では、6弁・7弁・8弁・10弁もあるとされ、花弁数及び雄蕋数の両方ともに一定しないようである。
峰の松風 Rhododendron macrosepalum 'Mine-no-matsukaze' の花の特徴は、「5弁10雄蕋」と説明されるようだが、 よしさんの観察では、6弁10雄蕋(fig.14)・6弁11雄蕋(fig.13)の個体が見られた。
他の観察報告では、5弁・6弁、10雄蕋とされ、花弁数及び雄蕋数の両方ともに一定しないようである。
フィールドで実際に自分の目で確認した事実を実データと踏まえ、園芸品種及び雑種は変異が大きく、一様なる固定は困難と見受けられる。
従って、ワカサギ Rhododendron ripense Makino cv. wakasagi の花の特徴について、 すべての観察結果をうまく説明できるのは、「5弁(fig.07-fig.08)・6弁(fig.05)・7弁・8弁・10弁であって、 6雄蕋(fig.05)・8雄蕋(fig.08)・9雄蕋(未掲載)・10雄蕋(fig.07)である」ことだが、さらに事例を確認しなければ結論は出せない。
また、斎藤文治の記述した「八重咲き」(※09)についても、今後注意して検証する必要があろう。
その際、ツツジ属の自生種数約850種+園芸品種数1000種の状況に鑑み、 小林伸雄博士・教授の得意とする新技術・葉緑体DNA分析による遺伝評価(※26)を、観察木同定の学問的根拠に置きたい。
簡易的手法として、 本稿でも前述し提示観察してきた如く、観察木は、誰もが容易に接近観察可能な公開植栽地にあって(入場の有料無料を問わず)、 且つ、研究者・学芸員等の同定した来歴の明確な個体を選定することが、外観による類似品種混同予防の実践的前提とされよう。

世に言うシャクナゲも、ツツジ属 Rhododendron sp. に分類されることは、諸兄ご存じの通りである。
どの箇所がどれほど、上述ツツジ類に似ているか、或いは相違するかを観察するため、 ホンシャクナゲ Rhododendron.japonoheptamerum var.hondoense (同意語 Rhododendron.metternichii Siebold et Zucc. var. hondoense Nakai・fig.28-fig.30) 及びタイワンシャクナゲ Rhododendron.formosanum Hemsl. (紅花及び白花・fig.31-fig.33)の2種を掲載し、若干の考察と応用手法を述べ、本稿の「おまけ」としよう。

fig.28 ホンシャクナゲ 7弁14雄蕋 fig.29 ホンシャクナゲ fig.30 ホンシャクナゲ(全景)
fig.28-fig.30 ホンシャクナゲ Rhododendron.japonoheptamerum var.hondoense(2014年04月26日撮影・国立歴史民俗博物館くらしの植物苑/千葉県佐倉市にて)
fig.28 ホンシャクナゲ 7弁14雄蕋,fig.29 ホンシャクナゲ,fig.30 ホンシャクナゲ(全景)

fig.31 タイワンシャクナゲ(紅花6弁12雄蕋) fig.32 タイワンシャクナゲ(白花7弁12雄蕋) fig.33 タイワンシャクナゲ(全景)
fig.31-fig.33 タイワンシャクナゲ Rhododendron.formosanum Hemsl.(2014年04月26日撮影・国立歴史民俗博物館くらしの植物苑/千葉県佐倉市にて)
fig.31 タイワンシャクナゲ(紅花6弁12雄蕋),fig.32 タイワンシャクナゲ(白花7弁12雄蕋),fig.33 タイワンシャクナゲ(全景)

タイワンシャクナゲは、原産地台湾で標高1500m付近の山地帯下部に自生する虫媒花である(※24)。
甲虫研究家・窪木幹夫(元東京農業大學農学部昆蟲學研究室)の 「台湾産ハナ力ミキリ亜科Pidonia属の生活と訪花植物」(※24)によれば、 台湾北部(NW,NE)及び西南部(CW,SW)に自生するタイワンシャクナゲに、 「@成虫の活動のエネルギー源となる花蜜を模食すること, A成虫, 特に雌の卵巣発育のために花粉を摂食すること, B花を雌雄の出会いと交尾の場とすること 」を目的に、 ハナカミキリ亜科 Pidonia属のヒメハナカミキリが訪花し、タイワンシャクナゲから採集された Pidonia属の個体数は3段階評価(多い・普通・少ない)の 中間、"普通" であった、と報告されている。
すなわち、タイワンシャクナゲの受粉を成功させ、繁茂させる重要な要因のひとつは、甲虫が担っていることが明らかにされた報告事例である。
これを水平展開すれば、本報で扱ったツツジ属 Rhododendron sp. は虫媒花であることに由り、 どの種も何れかの甲虫類と互恵関係にあると強く暗示される。
しかし、少なくとも日本の自生種数約50種の、どの種が、どの甲虫と特別な互恵関係にあるかの研究分野は全貌が把握されているとは言えないようで、 今後の解明が待たれる。
なぜなら、ツツジ属 Rhododendron sp. を隆盛に導く要因は従来の、土の種類・日当たり具合・水遣り・施肥条件等農業的視点に先立ち、 植栽候補地選定段階で「(そこにいる)虫を見て花を植える」手法が想起されるからである。
また、種苗甫・緑地・大規模公園等に代表される既取得地に植栽導入するケースでは「花を増やす者、虫をも増やす」手法への 応用の可能性があろう。
当然のことながら、周囲の産業に副次的被害を与えない・生態系の攪乱を招来する恐れが少ない等の条件下で、 実用の道が検討されて良い。

「大事なことは書物の中に書き残されている」であったか、正確な訳を確認すべく、『フィロビブロン -書物への愛-』(※17)を 開いたところ、第一章の題が、「知恵の宝はおもに書物のうちに収められている」であった(17pp)。
本書は、リチャード・ド・ベリー(Richard de Bury, 1287-1345, 英国の聖職者)が14世紀にラテン語で述べ、15世紀に印刷術が発明されると 版を重ねた『PHILOBIBLON』の初完訳で、よしさんもベリーの第一章の題に共感する。

【謝辞】
オンラインで自由に閲覧できる「近代デジタルライブラリー」を整備提供くださる、国立国会図書館関係者様に感謝します
新宿御苑(東京都)の'峰の松風'をご教示頂いた環境省自然環境局新宿御苑管理事務所林様に感謝します
清水公園(千葉県野田市)のワカサギの開花状況を、2013年にご案内頂いた株式会社千秋社清水公園の鈴木様 及び2014年にご案内頂いた同・竹本様に感謝します
ホンシャクナゲ・タイワンシャクナゲをご教示頂いた国立歴史民俗博物館くらしの植物苑山村 聡様に感謝します

【参考文献(よしさん架蔵書)】
(※01)原著:源 順,校訂:那波道円1648(慶安戊子元年):「羊躑躅」『倭名類聚鈔』和本,巻之廿,廿七丁裏,渋川清右衛門,外題:和名類聚鈔, 927(延長05)成立,
(※02)水野元勝ら:1681(延宝09)一しほ『花壇綱目全3巻』下巻16丁表,国立国会図書館デジタルコレクション
(※03)伊藤伊兵衞三之丞:1692(元禄05)ひとしほ『錦繍枕全5巻』1巻21丁裏22丁表,国立国会図書館デジタルコレクション
(※04)伊藤伊兵衞三之丞:1695(元禄08)ひとしほ『花壇地錦抄全6巻』2巻16丁表,国立国会図書館デジタルコレクション
(※05)編纂正宗敦夫:原著深江輔仁:1928(昭和03)『本草和名』上巻,日本古典全集刊行会,非売品
892(寛平04)〜927(延長05)に成立,底本は1796(寛政08)板行森枳園父子蔵本,
(※06)伊藤伊兵衞三之丞:1933(昭和08)ひとしほ『花壇地錦抄』51pp,京都園芸倶楽部,国立国会図書館デジタルコレクション
(※07)牧野富太郎:1936(昭和11)『随筆草木志』265pp-,南光社(東京),グーグルデジタル版
http://books.google.co.jp/books?id=ALiNAWFKGEsC&printsec=frontcover&hl=ja#v=onepage&q&f=false
(※08)考註矢野宗幹:原著益軒貝原篤信:1936(昭和11)『考註大和本草』第二冊,10+348+166+29pp,春陽堂書店,非売品
原本は1709(宝永06),和本,
(※09)東京山草会監修:1969(昭和44)『シャクナゲとツツジ』,295pp,誠文堂新光社,\1200,
(※10)牧野富太郎:1970(昭和45)『牧野富太郎選集』,第四巻,42-59pp,株式会社東京美術,\800,函
(※11)校注加藤 要:原著伊藤伊兵衞三之丞:1976(昭和51)『花壇地錦抄』東洋文庫288,3-184pp,株式会社平凡社,\900,函
校注加藤 要:原著伊藤伊兵衞:1976(昭和51)『草花絵前集』東洋文庫288,185-312pp,株式会社平凡社,\900,函
『花壇地錦抄』底本は1695(元禄08)志村孫七開板,京都大学図書館蔵書
『草花絵前集』底本は1699(元禄12)伊藤伊兵衞刊,東京大学図書館蔵書
(※12)宮澤文吾:1978(昭和53)『花木園藝』復刻第1刷,4+10+575pp,八坂書房,\7500,函
原本は1940(昭和15),養賢堂,5圓80銭,
(※13)山本章夫:1979(昭和54)『萬葉古今動植正名』,137-139pp,恒和出版,\1800,
(※14)伊沢凡人:1981(昭和56)『原色版日本薬用植物事典』第2版,6+14+331pp,誠文堂新光社,\20000,
(※15)編纂京都園芸倶楽部:解説北村四郎:原著伊藤伊兵衞政武:1983(昭和58)『地錦抄附録』214+58pp,復刻版,生活の古典双書,八坂書房,\2800,函
底本は1733(享保18),和本,
(※16)校閲新村 出:校訂竹内 若:原著松江重頼:1988(昭和63)『毛吹草』,505pp,岩波文庫30-200-1,岩波書店,\700,
原本は1645(正保02),和本,
(※17)リチャード・ド・ベリー原著,古田暁訳:1989(平成元)『フィロビブロン -書物への愛-』,216pp,学術文庫896,講談社,\600,
(※18)塚本洋太郎総監修:1989(平成元)『園芸植物大事典』3巻,598pp,小学館(東京),\13500,
(※19)小林伸雄:1997(平成09)「常緑性ツツジの類縁関係と園芸品種の起源解明に関する研究」,博士論文,筑波大学付属図書館,
https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/limedio/dlam/B11/B1117514/1.pdf
(※20)真田 勝・坂上 勉:1998(平成10)「樹木園の花便り」1-6pp,研究レポートNo.45,森林総合研究所北海道支所,
http://www.ffpri-hkd.affrc.go.jp/koho/rp/rp1_53/rp45.pdf
(※21)東京都立大学理学部牧野標本館:1999(平成11)Rhododendron ripense (キシツツジ)「牧野標本館タイプ標本データベース」
http://ameba.i.hosei.ac.jp/bidp/makinocd/makino/prep_j/MAK100001.html
(※22)水谷泰弘:2003(平成15)「江戸の園芸書から」101pp-120pp,名古屋大学大学院『言語文化研究叢書』第2号,
www.lang.nagoya-u.ac.jp/proj/sosho/2/mizutani.pdf
(※23)三谷芳男:2003(平成15)「ツツジ交配・実生栽培のコツ教えます」,『現代農業』2003年5月号,308-311pp,
(※24)窪木幹夫:2005(平成17)「台湾産ハナ力ミキリ亜科Pidonia属の生活と訪花植物」
日本鞘翅学会,甲虫ニュース COLEOPTERISTS' NEWS,No.150 june 2005,1-5pp,
http://coleoptera.sakura.ne.jp/ColeoNews/ColeoNews150.pdf
(※25)磯野直秀:2007(平成19)クロフネツツジ「明治前園芸植物渡来年表」27-58pp,慶應義塾大学日吉紀要・自然科学No.42,35pp,
(※26)小林伸雄ら:2008(平成20)「山陰地域を中心としたキシツツジRhododendron ripense Makino の 形態的調査と葉緑体DNA分析による遺伝資源評価」園学研,7 (2),181?187pp.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hrj/7/2/7_2_181/_pdf
(※27)株式会社鹿児島TLO:2008(平成20)「市場拡大を促す新種ツツジの育成技術」,独立行政法人工業所有権情報・研修館,
http://www.inpit.go.jp/blob/katsuyo/pdf/business/19t3-5.pdf
(※28)仁田坂英二:2009(平成21)「古典園芸植物のドメスティケーション」,
山本紀夫編『ドメスティケーション―その民族生物学的研究』国立民族学博物館調査報告84:409−443(2009),
http://ir.minpaku.ac.jp/dspace/bitstream/10502/4027/1/SER84_020.pdf
(※29)森林総合研究所多摩森林科学園:2013(平成25)「所蔵植物標本データベース」,森林総合研究所多摩森林科学園
http://db1.ffpri-tmk.affrc.go.jp/
(※30)林:2013(平成25)「問合せ回答」,環境省自然環境局新宿御苑管理事務所(私信),
(※31)鈴木:2013(平成25)「問合せ回答」,株式会社千秋社清水公園(私信),
(※32)竹本:2014(平成26)「問合せ回答」,株式会社千秋社清水公園(私信),
(※33)Zelkova serrata:2014(平成26)「問合せ回答」,ブログ樹まぐれ日記,
http://acermono.blog.fc2.com/?no=410
(※34)山村 聡:2014(平成26)「ホンシャクナゲ・タイワンシャクナゲ問合せ回答」,国立歴史民俗博物館くらしの植物苑(私信),


【注】
『本草和名』(※05)、『倭名類聚鈔』(※01)、『考註大和本草』 (※08)から本稿への、写真複製・有線送信・本HP掲載公表(fig.01-fig.03)は、 「ベルヌ条約」及び「万国著作権条約」並びに国内法「著作権法」を踏まえた合法行為です。
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発表:2014年06月07日(土),REV.01:2014年06月19日(木)四街道市都市計画審議会委員よしさん

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