第15回ワカサギに学ぶ会は、2010年11月17日(水)〜18日(木)、群馬県・前橋テルサつつじの間(前橋市)と鳴沢湖(高崎市)で開催された。
ワカサギに関する行政や制度に携わる道県・内水面漁場管理委員をはじめ、
ワカサギの研究や増殖に携わる研究機関・水産試験場・漁連・漁業協同組合及び、
ワカサギの利用に携わる自治体産業課・観光課・観光協会・日本釣振興会群馬県支部・メディア
等、関係者総勢105名が参加する盛況ぶりであった。
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開催地群馬県の小林幹雄水産試験場場長の開会挨拶に続き、講演は、
群馬県蚕糸園芸課水産係補佐久下敏宏水産係長の『ワカサギの増殖法と活用法(群馬県の場合)』であった。
増殖法については、かつて博士論文にまとめられた内容(※01)を中心に、群馬県東部の近藤沼漁業協同組合
で実施中の陸上FRP水槽内ふ化方式等を交え、平易にご紹介頂いた。
活用法については、遊漁・食材・観光面に大別され、廃棄部分のない優良な食材であることを指摘された。
前橋市のグリーンドーム前橋で開催された来夏向け「群馬デスティネーションキャンペーン(DC)」の
「全国宣伝販売促進会議」で、
室内釣堀にワカサギを放流した(水温17℃に設定・ワカサギ成魚は赤城大沼より搬入)、ワカサギ釣り体験の観光利用事例(※02)等を説明され、
最近はアユよりワカサギの遊漁者が多くなったと解析された。
尚、講演の内容発表に先立ち、永年にわたりワカサギ増殖事業に多大な貢献をされ、2010年03月に急逝された、
芦之湖漁業協同組合橘川宗彦事務局長(当時)に追悼・感謝と今後の決意を捧げられた。合掌。
fig.01 群馬県蚕糸園芸課水産係補佐久下敏宏水産係長の『ワカサギの増殖法と活用法(群馬県の場合)』
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赤城大沼漁業協同組合青木泰孝組合長は、『赤城大沼のワカサギ遊漁』を報告された。
湖面標高1345m・最大水深16.5m・面積88haの赤城大沼では、網走湖産9000万粒・諏訪湖産5000万粒・
群馬県田代湖産2000万粒・自湖産8000万粒の都合2億4000万粒をふ化増殖し、遊漁者に人気の氷上穴釣りに応えていると
報告された。
fig.02 赤城大沼漁業協同組合青木泰孝組合長の『赤城大沼のワカサギ遊漁』
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榛名湖漁業協同組合野口正博組合長は、『榛名湖のワカサギ遊漁』を報告された。
湖面標高1084m・最大水深14.6m・面積122haの榛名湖は、ボート釣り(09月01日〜11月末日)と
氷上穴釣り(01月下旬〜)で遊漁者を迎えていると報告された。
翌18日午後、サプライズで、榛名湖視察&プランクトン採取を実施した経緯は後述する。
fig.03 榛名湖漁業協同組合野口正博組合長の『榛名湖のワカサギ遊漁』
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北海道立総合研究機構水産研究本部さけます・内水面水産試験場の隼野寛史研究主幹は、『網走湖産シラウオの生活史と漁業の特徴』を報告された。
ワカサギと同じ汽水域に棲むシラウオは、地域の重要な水産資源でありながら、これまで生物学的知見が少なく資源管理が不十分であった。
西網走漁業協同組合川尻敏文さんとの共同研究から、漁期直前や漁期中に降雨により網走川の流量が300m3/秒以上に達すると、網走湖の
シラウオはオホーツク海へ移動し、その年は不漁になること等を、報告された。
シラウオは茨城県牛久沼でも漁獲されており(※03)、降雨による網走川の流量増加で湖外へ泳ぎ出る話は「ワカサギの遊泳力考察(網走湖の事例から)」(※04)とも連なり、
よしさんには興味深く、ぜひ詳細を伺いたい内容であった。
fig.04 北海道立総合研究機構水産研究本部さけます・内水面水産試験場の隼野寛史研究主幹の『網走湖産シラウオの生活史と漁業の特徴』
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北海道立総合研究機構水産研究本部さけます・内水面水産試験場の真野修一研究主査は、『シュロ盆、スライドグラスからの脱落卵について』を報告された。
ワカサギのふ化放流方法として一般的な、シュロ盆(シュロ枠)浸漬方式を採用する現場から、
「シュロ盆から脱落した受精卵はそのまま死んでしまうのか」という疑問の声が聞かれ、いつ・どれほど脱落するか、脱落した受精卵の生死を判別したこと等の、
テスト事例報告があった。
結果は一様でないものの、脱落受精卵が全て死卵ではないこと(脱落受精卵の生卵率は10%以上あった)は、増殖事業に用いる受精卵数が大量であるだけに、
同方法におけるふ化率改善のキーが隠されていると考えられ、今後の追加試験や産卵基質処理法開発の必要性を感じた。
fig.05 北海道立総合研究機構水産研究本部さけます・内水面水産試験場の真野修一研究主査の『シュロ盆、スライドグラスからの脱落卵について』
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青森県産業技術センター内水面研究所の相坂幸二主任研究員は、『小川原湖、十和田湖におけるワカサギの漁獲状況について』を報告された。
青森県では、33の湖沼河川でワカサギの生息が確認され、12ケ所で漁業権魚種となっているが、ほとんどの水域は天然再生産のみで資源が維持されている。
小川原湖(小川原沼・宝沼)のワカサギ年間漁獲量は平成元年以降300〜660トンで安定し、価格は200〜250円/Kgで推移、
平成21年度漁獲量は547トンであった。
十和田湖における重要魚種はヒメマスで、餌料環境の競合するワカサギは漁業権魚種ではなく、駆除対象魚で漁獲量制限はない。
平成21年度漁獲量は16トンで、価格は450〜500円/Kg(平成22年度)で漁協から加工業者へ流通していると、報告された。
fig.06 青森県産業技術センター内水面研究所の相坂幸二主任研究員の『小川原湖、十和田湖におけるワカサギの漁獲状況について』
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山梨県水産技術センターの岡崎 巧主任研究員は、『河口湖の流入河川におけるワカサギの自然産卵について』を報告された。
河口湖は、1969年〜1982年に年間18〜61トン(平均35トン)のワカサギ生産量があったが、1985年秋季より断続的に不漁が続き、
その原因は、ふ化放流直後の初期減耗によるものと、水産技術センターの1988年〜1993年調査で明らかになったと、先ず経緯の説明があった。
トンネル掘削工事の影響で水量が増加した流入河川に、2009年に続き2010年も、ワカサギの大量遡上・自然産卵が確認され、この流入河川における
2009年の自然産卵数は約3200万粒、2010年の遡上親魚数は約12万尾と各々推計されたと、写真を多用し報告された。
河口湖の観察事例は、神奈川県・茨城県の実施した人工河川実験や、榛名湖の人工河川とも関連させて考察展開すれば、各地の漁場において新たな遡上親魚誘致・自然産卵誘発策を考案する
有力なヒントになる可能性があろう。
fig.07 山梨県水産技術センターの岡崎 巧主任研究員の『河口湖の流入河川におけるワカサギの自然産卵について』
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長野県水産試験場諏訪支場の築坂正美研究員は、『諏訪湖とワカサギを取り巻く最近の状況』を報告された。
諏訪湖では、月1回の夜間魚群探知機調査と、月2回程度の魚体測定(諏訪湖漁業協同組合が漁獲ワカサギを提供)により、
ワカサギ資源管理を実施していること。
2010年11月上旬における推定ワカサギ資源尾数は3150万尾、平均体重(K値)=1.21g(全長6〜7cm)であったと、報告された。
魚食性ガンカモ類のカワアイサは、全国に6300羽強が飛来し、諏訪湖では約1750羽が確認されており(環境省:平成21年度)、
カワアイサによるワカサギ資源の食害が懸念される中、地元は漁船に爆音機を搭載し追い払っている。
fig.08 長野県水産試験場諏訪支場の築坂正美研究員の『諏訪湖とワカサギを取り巻く最近の状況』
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よしさんは、『書斎で可能な、ワカサギ受精卵の観察日誌(2010)』(※05)を報告した。
受精卵を付着させたシュロ枠を湖水に直接浸漬する従来法は、手探り状態が難点のひとつであり、
受精卵(胚)の発生段階及び発眼状況並びに仔魚ふ出の時期に関する、何らかの手がかりを得て、
暗中模索状態を改善するための手法開発を目的に、室内ビーカー観察
を実施し、その概要を実物・顕微鏡動画で説明した。
「室内ビーカー対照区法」は、(1)ワカサギ増殖事業の実務者が(2)自宅で、家庭環境で整う、道具を用いて(3)簡易に実施できる、特徴を有し、
漁場における事業規模ふ化増殖(従来法・ふ化器法)の対照区として、手元(自宅)で併用され、漁場(実設備)における
ワカサギ受精卵の成長段階の目安に活用されることを期待したい。
fig.09 前牛久沼漁業協同組合顧問吉田義明(よしさん)の『書斎で可能な、ワカサギ受精卵の観察日誌(2010)』(撮影:古田ひろよし)
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群馬県水産試験場の品川卓志主任は、『簡易的な方法によるワカサギの年齢推定の誤差』を報告された。
耳石の日周輪の一部区間を計数し、当歳魚と越年魚の区分をする簡易法には、計数する区間の設定により年齢推定に誤差の生じる
可能性が残されていた。
そこで耳石の日周輪を24.33〜48.68μmごとに区分し、各区間の日周輪平均幅を測定し、耳石径を日周輪最大最小幅で除し
た数値を求め、検体魚の卵放流から採捕までの日数と比較したところ、2例共に、
「簡易法で当歳魚と越年魚の区分をする場合、区間の選択は結果に大きな影響を与えない」ことが明らかになったと、報告された。
■「配布レジメ中の表1の全長及び体長の単位mmは誤りでcmが正です(2010年11月29日・私信)」■
fig.10 群馬県水産試験場の品川卓志主任の『簡易的な方法によるワカサギの年齢推定の誤差』
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水産総合研究センター中央水産研究所内水面研究部の坂野博之主任研究員は、『ワカサギ仔魚の飼育環境下における消化速度』を報告された。
ワカサギ資源安定のために、ふ化仔魚の初期減耗を軽減させる必要があり、ふ化仔魚の飢餓耐性を把握する基礎としてワカサギふ化仔魚の
消化速度を2成長段階・4飼育水温(10〜22℃)で求めた。
その結果、消化速度は高水温ほど早く、また、ふ化後50日齢魚より7日齢魚の方が早かったことから、
ワカサギふ化仔魚の消化速度は、水温依存的・サイズ(日齢)依存的に決定していることが示唆されたと、報告された。
これを換言すれば、7日齢魚(卵黄を消費した直後の仔魚に相当)は放流水域の水温が高いほど多量の初期餌料環境が求められ、
漁場における初期餌料プランクトンとの整合が重要であることが、あらためて裏付けられた。
fig.11 水産総合研究センター中央水産研究所内水面研究部の坂野博之主任研究員の『ワカサギ仔魚の飼育環境下における消化速度』
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続いて、坂野博之主任研究員より、『ワカサギ利用実態調査:概要、途中経過、今後』が報告された。
ワカサギ資源利用規模の解明や国民のニーズの高まりを把握するため、各機関に実態調査票を送付し、アンケート調査を実施した。
その結果、38都道府県行政機関・37都道府県水産研究機関・34府県内水面漁連から回答があり、35道県255水域の
ワカサギ利用が判明した。
今後はさらに、漁業協同組合・自治体・民間事業所等に、ワカサギ利用状況と卵の移動状況(購入先販売先)を問合せたいと、報告された。
質疑及び意見交換の主たる事項は、次の通りであった。
Qブルーギルによるワカサギ食害について(西湖漁業協同組合三浦保明組合長)
A近藤沼では、受精卵は中古浴槽内で管理し、ふ化仔魚は浴槽ごとフォークリフトで漁場へ運んでいます(群馬県久下敏宏水産係長)
Aコイの卵は対策済だが、ワカサギ卵は未対策です(千葉県加藤惣一郎研究員)
A以前の調査資料を後日提出します(山梨県岡崎 巧主任研究員)
Qワカサギ成魚の大きさにバラツキがあるようだ、諏訪湖産の受精卵を用いた場合の成長は5〜6cmが最大なのか(赤城大沼漁業協同組合喜多山 寛総務部長)
A体重は1〜2gのバラツキがあります(長野県築坂正美研究員)
A成長具合は受精卵の産地ではなく、受入放流先の餌料環境等に由来すると考えられます(前牛久沼漁業協同組合顧問吉田義明)
A学術的にも吉田さんの見解の通りだと思います(群馬県久下敏宏水産係長)
Qワカサギがいるのに、釣れない理由は何か(日本釣振興会柏瀬 巌理事)
Aこの季節はボートで藻の上面を釣り、好成績です(榛名湖漁協)
Aベタ底を赤虫で狙い、聴き上げも併用する、それでダメならハイパーパニック(毛バリ風)仕掛けを使用(赤城大沼漁業協同組合青木泰孝組合長)
A底釣りで良く釣れています(山中湖漁業協同組合羽田金祝組合長)
A桧原湖には、いつでも良く釣る名人もいます(桧原漁業協同組合羽染組合長)
Q水域毎のワカサギ適正資源量を求めるガイドラインは、ありませんか(高滝湖観光企業組合戸澤優之理事)
A今後実施予定のアンケート項目に入れ、(卵放流量実態を)まとめる方向で考えたい(水産総合研究センター坂野博之主任研究員)
Q「ワカサギ利用実態調査」に回答済だが、まとめられたデータバックが必要ではありませんか(千葉県加藤惣一郎研究員)
A年内か年度末までに出したいと考えています(水産総合研究センター坂野博之主任研究員)
Q西湖において、ヒメマスとワカサギの競合具合はどうですか(群馬県久下敏宏水産係長)
A競合はあります、ヒメマスが良い時はワカサギはダメです(西湖漁業協同組合三浦保明組合長)
fig.12 質問に回答される群馬県久下敏宏水産係長(撮影:古田ひろよし)
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講演と11題の話題提供、それに続く質疑及び意見交換は、啓発されることが多くあった。
一方で、あらかじめ示された、増殖現場ニーズから発せられる「統一テーマ(お題)」について研究発表する方向も、
従来の自由な内容の話題提供と併用し、運営されて良いとする新機運も感じられた。
例えば、会期を1泊2日から2泊3日へ延長すれば、より充実したワカサギに学ぶ会になるであろうが、
参加のための日程調整(休暇取得)や、宿泊費用負担増加の新たなハードルも出現し、
門戸を広く解放し比較的容易に参加できる特徴が失われてしまう懸念もある。
会場を北海亭前橋本店に移して開催された意見交換会では、群馬県水産試験場が育種し、群馬県養鱒漁業協同組合が養殖した
最高級ニジマス「ギンヒカリ(群馬県の登録商標)」を刺身で賞味した。
「ギンヒカリ」は、香りが一瞬口に残る後味が、よしさん好みで、群馬のお勧め品と言える。
意見交換会の第一部・第二部を通じ、それぞれの立場でワカサギに取組む参加者の情熱が強く感じられ、大変有意義であった。
なかでも今回は、前回(山梨県)・前々回(神奈川県)に比し、ワカサギの利用に携わる関係者がより多く参加されたことが注目される。
次回、第16回ワカサギに学ぶ会の開催地は、北海道と発表された。
fig.13 視察地・鳴沢湖(高崎市)
fig.14 鳴沢湖概要 fig.15 鳴沢湖の遊漁案内
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2010年11月18日(木)、よしさんは群馬県水産試験場に集合し(自主的プチ所内見学後)、視察地・鳴沢湖(高崎市)へ向った。
鳴沢湖では、高崎市箕郷支所産業課飯島 均課長より、鳴沢湖の歴史と釣り場概要の説明を伺い、
早速、ゴム長靴を着用し、手製のプランクトン採取道具を携え、浮き桟橋に向かう。
一般釣り人のワカサギ釣果は、3〜数十尾、全長は3cm内外のヤセ型で、透視度2m以上の水面直下を遊泳するワカサギ多数を目視した。
2010年春は、諏訪湖産・群馬県田代湖産・自湖産の合計1億粒の放流実績であることを踏まえ、ワカサギの成長度(全長)を考察すると、
直感的に餌料不足が疑われた。
そのため、視察日現在の餌料プランクトン環境を明らかにする目的で、桟橋においてプランクトン採取を実施した。
検鏡結果は別報「群馬県鳴沢湖のプランクトン」(※06)を参照されたし。
昼前に、鳴沢湖の視察は終了し現地解散となった後も、両毛漁業協同組合中島淳志総務部長に梅田湖におけるワカサギ増殖と利用実態等をお聞きした。
伊勢崎市在住古田ひろよしさんから、近くの榛名湖を視察しましょうとサプライズが入り、彼の先導で、
榛名湖の江原ボート店に榛名湖漁業協同組合江原 健理事を訪ね、桟橋でプランクトン採取を実施し、護岸に打ち上げられた水草を拾得した。
検鏡結果は別報「群馬県榛名湖のプランクトン」(※07)、
水草は別報「群馬県榛名湖のクロモ」(※08)及び「群馬県榛名湖のセキショウモ」(※09)を参照願いたい。
末筆ながら、開催地でまとめ役にあたられた、群馬県久下敏宏水産係長及び群馬県水産試験場品川卓志主任並びに関係各位に感謝したい。
fig.16 榛名湖(おまけの画像サービス)
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【参考文献】
(※01)久下敏宏(2006)「群馬県におけるワカサギの増殖に関する研究」群馬県水産試験場研究報告第12号別冊1-126pp
(※02)毎日新聞 2010年09月09日 http://mainichi.jp/area/gunma/news/20100909ddlk10100168000c.html
(※03)よしさん(2008)「牛久沼のシラウオ」http://wakasagi.jpn.org/
(※04)よしさん(2006)「ワカサギの遊泳力考察(網走湖の事例から)」http://wakasagi.jpn.org/
(※05)よしさん(2010)「書斎で可能な、ワカサギ受精卵の観察日誌(2010)」http://wakasagi.jpn.org/
(※06)よしさん(2010)「群馬県鳴沢湖のプランクトン」http://wakasagi.jpn.org/
(※07)よしさん(2010)「群馬県榛名湖のプランクトン」http://wakasagi.jpn.org/
(※08)よしさん(2010)「群馬県榛名湖のクロモ」http://wakasagi.jpn.org/
(※09)よしさん(2010)「群馬県榛名湖のセキショウモ」http://wakasagi.jpn.org/
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